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渚side
貴「あ、ごめんね。朝から湿っぽい話しちゃって。」
そう言って、Aさんは手で涙を拭いた。すると、手の甲に小さな猫のようなアザが見えた。
それは、ずっと前に僕を助けてくれた少女の手の甲のものと全く同じだった。
〜回想〜
僕がまだ、7さいのときの話だ。
僕は母さんとデパートに買い物に来ていた。でも、途中で母さんとはぐれてしまった。ずっと探しても見つからない。足が疲れて、ベンチに泣きそうになりながら座っていた、その時だった。
少女「ねえ、私もそこ、座りたい…」
小さな声でそう聞こえた。顔を上げると、胸のところで手を重ねた、小柄な少女が一人で立っていた。手の甲に、猫のようなアザがあった。アザを見ていると、
少女「……見ないで…」
渚「あ、ごめん」
少女「…なんで、泣きそうな顔してるの？どうしたの？」
そんなことを言われ、つい、泣いてしまった。泣きながらこう言った。
渚「うぅ…、母さんと、…ぐすっ、はぐれちゃって…見つからなくて、」
少女「…そう、なら私が探してあげる。」
渚「…いいの？」
少女「うん。」
渚「ありがとう！」
そういって、笑顔を向けた。少女は何だか驚いた顔をした。
すると、僕に顔を近づけ、猫のように匂いを嗅いだ。
少女「分かった。……付いてきて。」
渚「え、うん」
正直、疑った。そんなんで、居場所が分かるわけない、と。
でも、正直はまっすぐ、迷いなく歩いていく。すると、
渚「母さん！」
渚母「渚！」
すぐに母に会うことが出来た。
渚「ありがとう！」
渚母「本当に、息子がありがとうございました。」
少女「お礼を言われるようなことは、してません。さようなら。」
そういって、去っていった。
僕は、その日からその少女が、好きになった。誰も助けてくれなかった。でも少女だけは、助けてくれたから。
また、会いたいな、そう思っていた。
ラッキーアイテム
思いつかないから、ノートで(笑)
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作者名：もっちゃん | 作成日時：2021年9月15日 17時
