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Fuma side
｢ここの照明もうちょい強めでお願いします｣
｢わかりました｣
｢外周のスピード変えられますか？｣
｢了解です！｣
自ら選んだ全体を見る役目。
楽しいしやりがいがあるけど。
余裕は無い。
｢風磨くん、ここの立ち位置どこ？｣
｢ねぇ風磨くんこの後なんだっけ！｣
さっきからしきりにマリウスが俺に質問してくるけど余裕が無くて答えられない。
｢ねぇ、風磨くん。ここわかんない｣
｢ごめんなマリウス、誰かに聞いて｣
他の3人も余裕が無いのは同じだと思うけど、ごめんな、みんな！
リハは順番通りに進んで行き、ダンスコーナーに入る。
音楽と俺らの息遣いだけが響く好きな空間。
｢ちょっと、マリ！ 場所違う｣
松島の声で集中が掻き乱される。
振り返るとマリウスが変な場所にいるのが見えた。
｢マリウスなにしてんの。そこだって｣
｢……っごめん｣
もう少しで舞台がせり上がるタイミングだ。
………マリウス！？
｢マリウス！ お前危ねぇ！｣
せり上がるステージの境目に立っていたマリウスを仕方なく突き飛ばす。
｢すいません。1回止めてください｣
音楽が止まって世界もが止まったように感じられた。
マリウスに向き直る。
｢なぁ、お前やる気ないなら1回休む？｣
｢……やる気あるもん｣
｢あるように見えないんだけど。できるの？｣
｢できる！ やるから！｣
｢怪我してからじゃ遅いんだぞ｣
｢できるから！｣
何を言っても聞きそうにないので諦めて位置に戻る。
｢すいません。続きからお願いします｣
音楽がかかって再び音に溢れた世界に戻った。
明日にはここにファンのみんなの笑顔が加わる。
なんて素敵な空間なんだろう。
｢おい、マリウス！｣
中島の声でまた現実に引き戻された。
｢集中できてないだろ、お前｣
｢できてる………っ｣
中島の目を見ていた彼の目が急に虚ろになる。
｢ちょ、マリウス？｣
｢………っはぁ………はぁ……はぁ…っ………はぁっ｣
｢どうした！｣
4人で一斉に駆け寄る。
｢……ごめ…っ………でき………ない……っできない………｣
そういえば…
ここにきて思い出した、朝の楽屋の会話。
なんで忘れてたんだろう。
周りを見ているつもりが近くのものが全然見えていなかったことにようやく気付いた。
最低じゃないか、俺。
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あふい - 更新待ってます。 (2021年10月10日 21時) (
レス) id: 3848730b13 (このIDを非表示/違反報告)
えびふりやあ - ハッピースクールさん» 感想ありがとうございます！！5人の絆が大好きなのでそう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします^ ^ (2020年5月27日 23時) (レス) id: cb285c3042 (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - いつもこの作品を楽しく読んでいます。5人の絆が凄く感じられて、えびふりやあさんの文才凄いなぁと思っています。これからも、えびふりやあさんのペースで更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月27日 8時) (レス) id: 831e3c9db9 (このIDを非表示/違反報告)
えびふりやあ - くるみさんじゃないですか！！！素敵な感想ありがとうございます。すごく嬉しいです^^私も陰ながらくるみさんの作品拝見しております！これからもお互い楽しんで書きましょ♪ (2020年5月11日 20時) (レス) id: cb285c3042 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 初めまして。いつもえびふりやあさんの作品，楽しく拝読させて頂いております(*^^*)とても優しい言葉遣いと，彼ら5人の良さが伝わってくるこの作品はとても素敵です！小説を書くということは物凄く大変なことですが，陰ながら応援させて頂きます(^^) (2020年5月11日 10時) (レス) id: 5c0fc337d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えびふりやあ | 作成日時：2019年8月25日 15時
