君に夢中さ２ (ページ5)

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「松倉さんのこと忘れたくて男の子と遊びに行ってみたけど、やっぱり無理でした。」

つい思っていたことをそのまま言うと、松倉さんが突然振り返った。

その目は心なしかいつもより熱を帯びていて。

数秒視線が絡まったものの何も言わない松倉さんに不思議に思っていると、さっきよりも強く手を引かれて歩く速度が速まった。

気付けばもう私の家の目の前で。

てっきり送ってくれたのかと思って手を離そうとしたけど、松倉さんは手を繋いだまま私の家の前を通過していく。

「松倉さん。うち、通り過ぎちゃったんですけど。」

手を引かれたままそう言うと。

「帰すわけないじゃん。」

なんて、前を向いたまま言う松倉さんの耳は真っ赤だった。

松倉さんの家に着くや否や、玄関で何の前触れもなく降ってきたキス。

「ま、松倉さん…？」

「松倉さんじゃやだ。海斗って呼んで。」

ギラついた瞳と裏腹に、甘えるようにそう言われて。

「か、海斗…くん？」

「ん。」

どんどん深くなっていくキスに耐えきれなくて床にしゃがみ込むと、松倉さんがやべ、って言いながら起こしてくれた。

「ごめん。さすがにちょっとがっつきすぎた。中入ろっか。」

松倉さんに支えられて、リビングに向かった。