君に夢中さ (ページ31)

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最近、たまたま立ち読みした雑誌で見た恋愛特集のページ。

男の人は、ほんとに好きな子には簡単に手を出せないって書いてあって。

その記事が、今、自分の胸に深く突き刺さった。

やっぱり松倉さんにとって、私って、遊びなんだよね。

21歳にして初めてまともにした恋は、全然甘いものじゃなかった。

しばらくして静かに離れた松倉さんは、

「…傷つけてごめん。」

なんて、言い残して、私の家から出ていった。

私から離れていった一瞬、ちらっと見えた松倉さんの顔。

松倉さんにとって私なんて、ただの遊びってわかってる。
わかってるけど。

なんでそんな切なそうな顔してたの？
なんで私よりも泣きそうな顔してたの？

泣きたいのはこっちのほうだよ。

そんな顔されたら、もしかしたら大切に想ってくれてるんじゃないかって勘違いしそうになる。

ベッドに色濃く残る松倉さんの香水の香りに、心の中に閉じ込めようとしていた松倉さんへの想いが溢れ出してしまいそうだった。

周りの女の子はみんな楽しそうに恋愛してるけど、全然楽しくないよ。
松倉さんへの想いなんて、ただ苦しいだけだった。