君に夢中さ (ページ30)

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「そ、そんなのわかんない……んっ?!」

私が口を開けた隙に何かが侵入してきて。

数秒経ってそれが松倉さんの舌だとわかったときには心臓が止まりそうだった。

逃げても逃げても舌を絡み取られて吸われて。

完全にキャパオーバー。

やっと一瞬唇が離れて、ぼうっとしながら松倉さんを見つめていると。

突然ふわっと体が浮いて、気付けば私の視界には天井と松倉さんの顔。

いつの間にか私の体は後ろにあったはずのベッドの上で、その上に覆いかぶさるように松倉さん。

「Aにとって俺なんて、大した存在じゃないんだもんね。」

なんて、またあの熱っぽい目で見られてキスしてくる松倉さん。

どうすればいいかわからないし今は降ってくるキスに精一杯だったんだけど。

「あっ。」

松倉さんの手が服の上から私の胸を触っていることにやっと気づいて。
思わず自分でも聞いたことのなかったような甘い声が出て赤面する。

そしたら松倉さんが意地悪そうに笑って。

「ふうん。可愛い声出んじゃん。」

なんて色っぽい声で言う。

さすがにこれ以上は無理。
必死に抵抗しようとするけど、松倉さんの力にはかなわなくて。