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「ひぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ。」
私の情けない声が住宅街に響き渡り、後ろの人が慌てて「シー、シー。」って言ってる。
「あ、あなた、ずっと電車の中にいましたよね……。」
瞬時に後ろの人と距離をとる。だって、後ろにいるのはずっと電車の中で私を見てた男の人。マスクをして、サングラスをして、深くニット帽まで被ってて、怪しいことこのうえない。
「あの、まじで誤解です！ 僕、全然怪しいものじゃありませんから!!」
こっちが悪いことしてんじゃないかってくらい動揺して、必死に弁解する男の人。
「僕は、ただこれが渡したくて…。」
男の人が手にしているのは、よく見慣れたキャラクターのキーホルダーがついている鍵。
「乗った駅の改札で落としたところ見て、慌てて渡そうとしたんですけど、駅も人ごみすごかったし電車の中も満員だったからなかなか渡せなくて……。」
やっちゃった。私、最悪だ。
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作者名：ウマゴリラ | 作成日時：2021年1月7日 3時
