君に夢中さ (ページ1)

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最悪最悪最悪。

バイトを終えて満身創痍の状態で満員電車に乗っていたときからやけに感じる視線。

勘違いかな？なんて思っていたけど、これは自意識過剰なんかじゃないと思う。

だって、現に最寄り駅で電車から降りても、人ごみの中でまっすぐに私の方へ向いている１つの人影。

「無理無理無理。怖いよ。」

半泣きになりながらスマホを握りしめるけど、1人暮らしで彼氏もいない私は、こういうとき誰に助けを求めるべきなのかもわからない。

「とりあえず逃げるか。」

パニックで思考が停止してしまった私は、改札をくぐると同時に全力でダッシュして家まで帰ることにした。

幸い、駅から家まではそんなに遠くないから大丈夫。そう思ったんだけど…。

「ひっ。」

走り出して数分後、突然後ろから強く肩をつかまれて心臓が止まりかけた。

恐怖のあまり後ろを振り向くだけの動作に10秒くらいかかってしまった。

壊れかけのロボットのようにギギギッと首を動かしてみると、そこにいたのは……。