【wrwrd】行き先変更【男主】 (ページ5)

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「「ひっ…」」

何人かの子供が小さな悲鳴を上げる。
それは勿論俺の登場もあるが人を1人葬ったのだから全身血まみれである、はいその悲鳴正解、なんて心の中でふざけてみる。

全部の布を剥ぎ取りざっと見渡した感じ売られる前なのか後なのかは分からないが命に関わらないとはいえ傷は大小ちらほら見受けられる、といっても手持沙汰な俺に手当する術は全くないのだけれど家までは持ちそうである。

1人を除いて。

子供たちは一人一人別々に檻に入れられている、その中でも周りより少し幼い1人の息が荒い。

檻の鍵は先程の死/体から拝借している、勿論もう返すことはないけど。

鍵を開け容態を見ようと子供に手を伸ばすとその下の檻に入れられていた金髪の子供が檻の間から手を伸ばしズボンの裾をぐしゃっと握る。

??「お、お願いや…ショッピ君には手は上げんでくれ、下さい…」

身体中は傷だらけで飯もロクに食べていないのかやせ細っていて、あまり教養のなっていないのか慣れない敬語、抵抗はできずしがみつくしか無い現状。
想像したくもないが彼らの今までの境遇は何となく予想できる。

その境遇は俺の胸糞を大変悪くした、我慢もする気はなかったが大きく溜息を漏らす。

その溜息にすら身体を震わせ「ごめんなさい、ごめんなさい」と懇願する姿は何とも痛々しい。

先程の息の荒い子供を抱え下の子供と目線を合わせるようにしゃがみ込む。
周りが不安そうに「シッマ…!!」と声をかけるがこの際その声は無視だ。

『手はあげん、この子の命の危機や少し待っとけ』

それだけ伝えると俺は懐から薬を1錠取り出す、もしもの為と解毒剤や解熱剤を持ってきていて正解だと思った。勿論俺が使う為に持ってきたものだけれど。

相手は子供ということもあり半分噛み砕きそのまま飲み込む、もう半分を子供の口に放り込む。
水も取り出して飲まそうとするが意識が朦朧としてるのかほとんど口の際から水が流れ落ちるが薬を飲み込めたことを確認する。

そして檻を覆っていた布で子供を包み先程の俺の足を掴んだ子供の鍵を開ける。

『熱いのはわかっとる、けどできるだけこいつを暖めるように頼めるか？』

コクコクと首を縦に振りそのまま守るように身体を寄せ抱きしめる。

あまり放っておける状況じゃないな…。

俺は荷台から出て手網を握り少し家へ急いだ。