第七話 飴と煙草 ページ9
「あ、獄寺君」
後処理を終えた後、学校からの帰路を歩いていたら、爆発を起こした噂の張本人が公園のベンチに座っていた。夕日に照らされる銀色の髪が、風に靡いてきれいだなぁと目を奪われる。
だけど、彼が口元に運んだものを見て僕は静かに忍び寄る。
「こぉら。煙草はいけないよ」
そう言って、背後から獄寺君が加えていた煙草を抜き取って、踵で地面に押し付ける。口元から消えた煙草に、目を伏せながら獄寺君は僕の方に振り返った。
「チッ。またテメェか」
獄寺君は、抜き取ったのは僕だと認知すると、苛々しながら、また新しい煙草を取り出そうとする。
思わず僕は苦笑いを浮かべた。
彼は、僕が誰なのかを知っていてこの行為をしようとしている。僕は、やれやれと眉尻を下げながら、獄寺君の横に腰を下ろして無理矢理煙草の箱を手に取る。
「――――何だお前。喧嘩売ってんなら」
「はいはい」
「むぐっ」
喧嘩腰になり始めた獄寺君の口に飴玉をつっこむ。目を見開き、驚いている獄寺君と目が合うと僕は微笑んだ。
「ただの飴だよ。書記の子が毎日くれるんだ」
無言で睨みつけてくる獄寺君を気にすることなく、ゴミをポケットに入れて僕は続ける。
「ああ、そうだ。学校ではしゃぐのはいいけど、爆発物は駄目だよ？目にした時は驚いたよ。そこら中真っ黒、それに三年生が虫の息だったね」
最後に、また明日と告げてその場を去る。ああ、背中に突き刺さる視線が物凄い。
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天霧(プロフ) - とても面白かったです。次の更新待ってます (2021年6月15日 21時) (
レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - とても面白かったです。更新頑張って下さい！ (2021年3月8日 17時) (レス) id: 26b975bb56 (このIDを非表示/違反報告)
アル - えっ！？すっごい面白いです！続きがめちゃめちゃ気になります！ゆっくりでもいいので更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年8月17日 1時) (レス) id: 327b6bf4ac (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年7月16日 3時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
朱咲(プロフ) - 素直に面白いです。更新頑張ってください (2018年3月5日 17時) (レス) id: f509419ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2018年2月1日 22時
