デイライトⅡ (ページ9)

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ソレイユ① ページ9

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きっかけはそう、しめがAさんに「会いたいんだけど」ってメッセージを送ったこと。

うちのAさんは変なところ抜けてるから、
特になにも考えず「いいよ」って答えてしまったらしい。

なんとも彼女らしくて、もはや笑うしかなかった。

さらにそのやりとりをした後、帰ってきた俺にドタバタと「ねえどうしよう？！」って言ってきてさ。そりゃこっちのセリフだわ。

［マネージャーさんと合流したのでもうすぐ着くよ～］

能天気なメッセージにため息を吐く。

空き会議室には、仕事でいないちゃかとしずや以外が揃ってて如恵留なんて最近崩れてたのに今日はしっかりスーツ決めてる。

なんなんもうはっず…
俺の気持ちを汲んだのか、目が合った海斗に苦笑いされた。

「ねーまだあ？」

「もすこしだと思われる」

「はいはい海人、ちゃんと礼儀正しくしてね」

「俺もう仲良しだし！」

まだかなぁ！なんてにこにこ笑顔の中村海人さん。
いつもなら秒で帰るくせに。

その様子に如恵留は少し目を細めて、腕を組んでいる。

「 …なによ」

「ふふ～」

頭いい奴って何考えてるかほんとに分からんな。

俺に合わせてくれてるんだろうなって分かる瞬間も、合わせきれなくて申し訳ないと思ってるあの間も、なんだか歯痒くて。

お兄ちゃんってこんなんなのかなって、如恵留といればいるほど思うのは、きっと優しいから。

「取って食おうなんて思ってないから安心して？ただちょっと、うちの人見知り筆頭を最速攻略した人は一体どんな方かなぁって」

元太に似てるのかな？って随分楽しそう。
そういえばメンバーに彼女を紹介することが初めてなことに気がつく。

「 …なんか取り調べ受けてるみたい」

「ふふ。ごめんごめん、でも気になってさ」

浮ついた足取りでやってきた俺を、励まして、時に叱ってくれたAさん。

「海人がすっごい懐いてんの、あれは？」

「いやそれは俺も分からん。でも多分…あの人俺の知らないところで海人たちとゲームしてるから」

「あ～、ゲームね！」

お姉ちゃんみたいで、母親みたいで、でもやっぱりどこまでも愛おしくて可愛い俺の人。

でも俺だけの人では、いてくれない。
そりゃまあ俺だって人のことは言えないけどさ。