呪縛 ページ42
※義兄弟※
※なーんか暗め※
A目線
ずっと傍にいてね。
病弱な私の口癖。
ただ、この口癖は1人にしか言わない。
コンコン、と扉がノックされる。
羽京「入るよ〜」
A『羽京お兄ちゃん…』
羽京「今日は大丈夫?もう昼だけれど…何か食べたかったら言って。」
羽京お兄ちゃんは私の義兄であり初恋相手。
ダメだと思っているのに、少しずつ好きになる。
羽京「あはは、そんな顔しなくても、僕はずっーとAと一緒にいるよ。」
A『うん……』
羽京お兄ちゃんには我が儘言ってばっかりだ。
海上自衛隊になりたい羽京お兄ちゃんに『家に帰れないの…?やだ…』なんて言ったり、彼女が出来た羽京お兄ちゃんに『私と一緒にいて…』とか言ったり。
羽京お兄ちゃんの輝かしい未来を、私の看病という暗い未来に書き換えたのは私だ。
羽京「…A、病気が悪化したらダメだから、布団から出ないようにね。」
羽京お兄ちゃんは私の頭をぽんぽんと撫でる。
義妹がこんな気持ちを抱いていることを知らずに。
羽京「ふぁあ〜…ねむ…」
A『羽京お兄ちゃんも…ここで寝れば?』
羽京「……いやでも狭いし。」
A『大丈夫だよ!』
羽京「………じゃあ…」
羽京お兄ちゃんは渋々といった感じで布団の中に入ってきてくれる。
今度、寝ぼけたフリでもして抱き着いてみようかな。
A『…羽京お兄ちゃん、やっぱり海上自衛隊…なりたかった…?』
羽京「ん?そうだねぇ、なりなかったよ。昔からの夢だったんだ。この耳をいかせる仕事に就くことが。」
チクンと胸が痛む。
私がいなければなれてたかもしれないのに。
羽京「でも、今は別になれなくたっていい。
だって、Aっていう大切な妹の大変なときに手助けできないで、人を助ける仕事には就けない。
それに、命は皆大切だけど…唯一の家族はAしかいないしね。」
羽京お兄ちゃんは寂しげに微笑む。
お義父さんとお母さんは交通事故に運悪く巻きこ込まれてしまった。
A『…羽京お兄ちゃんの特別…』
羽京「そう。羽京お兄ちゃんの特別。
特別じゃなかったらあんな我が儘も聞いてないし。僕のプリンが食べたいとかさぁ。」
A『…羽京お兄ちゃんの彼女さんの話じゃなくて…?』
羽京「まあ今考えてみたら妹が大変なときに僕だけ呑気に恋愛は…って感じ。」
優しい羽京お兄ちゃんならきっと、叶えてくれる。
A『…ずっと傍にいてね…』
これは私が羽京お兄ちゃんにかけ続けた呪縛だ。
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闇の塩分(プロフ) - 匿名Nさん» コメントありがとうございます!えー!そんな…私の小説で羽京くんの魅力に気付いて頂けたなんて…!とても嬉しいです!こちらこそ読んでいただきありがとうございます! (8月5日 4時) (レス) id: 2e3f310fc1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名N - この夢小説読んでから羽京めっちゃ可愛いくてカッコいいっていうのに気付けました!!今もこの小説を読んでニヤニヤしてます( ^V^ )本当にありがとうございます! (8月4日 20時) (レス) @page44 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - モモさん» もちろんいいですよー!リクエスト承知致しました!きっと羽京くんの女装を見たかった人は少なくないはず…私も女装見たかったです…!! (7月18日 2時) (レス) id: 2e3f310fc1 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 作者様がよろしければ、学パロで夢主ちゃんがいじめられている現場をみたら。をお願いしてもよろしいでしょうか。羽京くん、アニメでもかっこいい!女装みたかった… (7月17日 19時) (レス) @page37 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - チョコミルクさん» そんな嬉しいお言葉ありがとうございます…!そんな!私こそ更新が遅くて申し訳ないです!更新頑張ります…!! (7月13日 21時) (レス) id: 2e3f310fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇の塩分 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/egg/
作成日時:2023年1月29日 4時