西園寺羽京だけで短編集！【dcst】

星に願いを ページ36

間に合あいませんでした、さーせん


A目線

ゲン｢七夕かぁ…｣
A『七夕ねぇ…』


｢健康に過ごせますように｣なんて願えば、その年は入院三昧。
｢好きな人と結ばれますように｣なんて願えば、その年は失恋三昧。
あ、でも他の人の幸せを願ったら叶ってるなぁ毎年。


スイカ｢あ！いたんだよ〜！｣
A『お、どうしたのスイカちゃん。』
未来｢あのなあのな！羽京先生から聞いたんよ！今日は七夕やって！｣

スイカ｢で、その…たんざく？に皆でおねがいごとを書くんだよ！｣
A『……いいよ。』

返事してしまったぁぁぁ！！


スイカ｢そしたら、Aは水色のたんざくにかくんだよ！｣
未来｢羽京先生とオソロイやで！｣
A『…ふふ、ありがとう！…………よし、かけた！』

2人の綺麗な金髪を撫でる。

ゲン｢ねーねー、スイカちゃん。羽京ちゃん、短冊になんてかいてたの？｣
スイカ｢えっとね、うきょうは2つのたんざくかいてたんだよ！｣

未来｢あ、そうなんよ！1つが、皆が無事に仲良く過ごせますように、で！もう1つは高い所に結んで見せてくれんかったんよな…あ！でもゲンなら取れるかもしれへん！｣

ゲン｢ふーーん？へぇー？｣


ゲンは私の方に振り返り、ちょいちょいと手招きをする。
絶対羽京君のお願い見に行く流れじゃん。
まぁ、気になるから私も見るけど。





ゲン｢あ、あったあった！これだね多分！えーっと何々……｣

ゲンは羽京君の短冊を見て、ピタリと止まる。

ゲン｢…………いっぱいパンが食べられますようにだって！羽京ちゃんらしくて可愛い！！ねー！｣
A『え、ちょ、私にも見せて…』
ゲン｢あ、もう結んじゃった！テへ☆｣

ゲンは｢そういえばスイカちゃんと未来ちゃん置いてきちゃった！見に行こう！｣と言い、私の手を引く。


スイカ｢おかえりなんだよ〜！｣
ゲン｢…ちょーっと用事思い出しちゃった！じゃねっ！｣

そう言ってゲンは私達の元から去って行った。





──────
Aちゃん達から離れて、もう一回短冊を見に行く。

ゲン｢……Aちゃんが幸せになりますように、ねぇ…｣
羽京｢…言わないでくれたのは感謝しとくけど、勝手に見るのもどうかなぁ？｣
ゲン｢言えばいいのに。｣
羽京｢だから、僕は結ばれたいんじゃなくてAちゃんに幸せになって欲しいだけだよ。｣

あっちもあっちで｢羽京君にいいことがありますように｣なんだから、本当に言えばいいのになぁ。

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