【コラボ】混ぜても危険物販売取扱所【短編集】 (ページ18)

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片恋ゆえに拒否をする【trp】ページ18

「え、プリントの枚数やばくね？俺半分くらい持ってくよ、貸して!!」
『…あっ、それ半分じゃなくて三分の二…』

優しくしないで

プリントくらい持っていけるから。
そこまで弱い私ではないから。
君にできない人だと思われたくないから。
でも心の何処かでは嬉しいと思ってしまうんだ。

『…ありがとう、うわ…っ』
「あぶな…っ」

触らないで

がくっ、と自分の体が傾く。
何かにつまづいてしまったのだろう、プリントを守るために腕に力をいれて、顔面や体を打つ覚悟で受け身も取らずに前に倒れこんだ。
でも目の前にあるのは君のお腹。
体に触れているのは君の手。
あーあ、また迷惑をかけてしまった。
ごめんね

『…あ、ごめん…』
「いや、大丈夫ならいいんだけど…怪我はない？」
『…う、うん』
「…顔赤いけど、大丈夫？」

見つめないで

真っ直ぐ見据えるその眼に引き込まれてしまいそうだ。
顔が赤いのも君のせい。
…心の怪我だけ増えてしまうんだ。
きっと、自惚れてしまうから。

「…A、ぼーっとしてるけど本当に大丈夫…？」
『あっ、うん、大丈夫、大丈夫だから…』

名前を呼ばないで

君の声に乗せて私の名前が呼ばれると、ドキッとしてしまうんだ。
その優しい声で、私の名前を呼ばないで。
自分だけ、そんな想いは嫌なんだ。
君は誰にでも優しいから。
君は誰からも信用されてて、人気で。
本当に、かっこいいと思ってしまうんだ。

お願い、お願いだから

期待させないで