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駅前の大きな本屋さんに着く頃には繋いでいた手は自然と離れていて、私は文庫本の方に黒尾はスポーツ雑誌の方に別れてお互い気になるものを物色しに行った
文庫本が立ち並ぶ棚を見て周って気になった題名の本を手に取り裏表紙に書かれているあらすじを読んでを数回繰り返していると、結構時間が経っていたのか
突然、読んでいた文字を遮るように後ろから両腕が伸びてきて、首の前で軽く腕を組んだかと思えば、そのまま体重をかけ始め、終いに私の頭は顎置きにされた
｢ちょっと黒尾、頭に顎乗せないでよ、あと重い｣
｢そんな体重かけてませんけどお？｣
｢もー、本当くっつきたがりなんだから｣
｢ちげえし、んで、良さげなもん見つかった？｣
｢うん！そろそろレジ行こうか悩んでたとこ！｣
私がそう言うと黒尾は頭の上から隣に移動して｢レジあっちだな｣ってゆっくりと歩き出した。私も黒尾のことを追い掛けるように隣を歩く
てか黒尾って意外と外でもああいうことするのね、周りの目を気にするタイプだと思ってたからちょっと意外、なんて呑気なことを思っていたけど
黒尾の行動に理由があったのを知ったのは駅ビルの中を散策し終わった帰りの電車の中、小さな声で買った本の話をしていると黒尾が話を切り出してきた
｢つか、今更だけど本屋んときAの後ろに挙動不審にお前のこと見てたオッサン居たの気付いてた？｣
｢え、そうなの？初めて知った｣
｢Aさあ、もうちょっと危機感持ってくんね？こーゆーことあるとスカート短けぇの心配するんですよ｣
｢あ、だから、私の後ろにくっついてきたの？いつものくっつきたがりとか思っちゃった、有難うねえ｣
お礼を言えば黒尾は返事の代わりに大きく溜息を吐くけど、守ってくれたことは変わらないし、こういう黒尾の優しさが私だけだったらいいのに
なんて思っていると、黒尾が降りる駅のアナウンスが車内に鳴り響き黒尾は駅にホームに消えていく
そのあと1人電車に揺られながら、何となく、冬休みに黒尾達の全国大会見に行ったときに会ったワンコロに｢恋敵の内の1人や｣って言われたのを思い出した
私も恋敵自体は沢山いるけど私がどうこうする問題じゃないから、多分、私の1番の敵って過去の自分
過去の自分のお陰で一緒にいるのが当たり前でそこから好きになったんだろうけど、一緒に居すぎて近くに居すぎて異性として意識して貰う方法は思い付かない
いっそ、ヤケになって唇でも奪ってみる？
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pupe4107(プロフ) - 私のイメージ通りのクロだったので、一気に楽しく読ませていただきました。ってか、背中に文字をって天才か！？ (3月17日 18時) (
レス) id: ec0e547931 (このIDを非表示/違反報告)
うえだ - 普段こういうサイトに感想は書かないのですが、良すぎたので残します… 最高でした；；ずっとキュンキュンしながら読み、最後は感極まって涙が出てしまいました！こんな恋がしたいです…素敵な小説を書いてくださりありがとうございます＾＾これからも応援します！ (2021年9月1日 5時) (レス) id: eff315038a (このIDを非表示/違反報告)
右京大河(プロフ) - 多タ夕さん» 素敵なコメント有難う御座います◎！小説というは自分とは違う人生や世界を体験出来る醍醐味があると思っているのでこの作品を読んで恋愛もどかしさを疑似体験したと感じてくださったことも納得した思って頂けたこともそれを伝えて下さったことも全部がとても嬉しいです (2021年1月27日 5時) (レス) id: e1e61173bd (このIDを非表示/違反報告)
右京大河(プロフ) - shinox2さん» コメント有難う御座います◎！最後の最後まで夢主ちゃんが友達のままいるか良い意味でも悪い意味でも友達じゃなくなるか葛藤する気持ちを持ったまま、2人の間に緊張感満載でのあの最後なのでヲタクの泣いちゃったコメントとても嬉しいです。最後まで有難う御座いました (2021年1月27日 4時) (レス) id: e1e61173bd (このIDを非表示/違反報告)
右京大河(プロフ) - 名無しさん» コメント有難う御座います◎！ずっと作品を好きでいて下さり完結まで見届けて下さり有難う御座いました。最高の一言に良かったの気持ちが全部詰められているような気がします（笑）私も歴代の作品の中でもかなり好きな作品なのでまた読み返して下さるととても嬉しいです (2021年1月27日 4時) (レス) id: e1e61173bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：右京大河
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ukyota/
作成日時：2020年7月25日 15時
