【黒尾鉄朗】187センチ前の席《 完結 》

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｢つか、気になるなら見に来れば？｣

｢え？良いの？｣

｢2階から見てる分には問題ねえだろ｣




黒尾にそう言われ嬉々として足を運んだのはバレー部が部活をやっているという体育館、他の部活は曜日ごとだったり半分のコートだけしか使えないのにここの体育館は男バレだけが使っているらしい

運動部の事情はよく分からないけど体育館丸々使わせて貰える辺り学校側もだいぶ応援しているんだろうな、とは思う

で、新しく入部したマネージャーちゃんはどれかな。あとついでに1年女子ビビらせた山本ってやつも見ておこ、山本の特徴聞いときゃ良かった




｢ねえ、クロ、あの人誰……？｣

｢ん？ああ、クラスメイト｣

｢へえ｣




猫背気味な金髪が私のことをチラリと見て黒尾と何か話していた。あの人が山本？金髪プリンなんてうちの学年で見たことないし如何にもドンキに居そうな典型的なヤンキーぽいけど静かそうだしここから見てる感じ、あんまり怖くなさそう

けど、1年女子をビビらせた山本という人物は練習を見ていてすぐに分かった。金髪のモヒカンとかいうよく分からない髪型で大声出して如何にもスポ魂運動部！みたいなやり取りをさっきの金髪プリンくんにしていてちょっと笑ってしまった

プリンくん、凄い嫌な顔してるし

なんて思っているとクラスメイトの黒尾が部長の顔をして｢はい、5分休憩〜！そん次レシーブ練な！｣って声掛けをし始めた。黒尾本当に部長なんだ、なんかウケるな




｢リエーフ！！！お前は俺とだからな！！！｣

｢ええ！！嫌っすよ！！！夜久さん厳しいんだもん！｣

｢うだうだ言うな！！！｣

｢ちょっとちょっと、夜っ久ん、マネージャーがタオル配るの躊躇してるでしょ｣

｢あ、すまん、有難うな｣




同じクラスの夜久くんが外人？ハーフ？の後輩に怒っているからマネージャーちゃん困っていたけどそれに声掛けれる黒尾上手いよなあ、プリンくんはプリンくんでマネージャーに声掛けられる前に自分でドリンクとタオル取って違う意味で困らせてたけど

にしてもマネージャーちゃんまだたどたどしてくて堪らなく可愛い、どうしてこう後輩って歳下って無条件で可愛く見れるんだろう

ここから見ているしか出来ない私は何も手伝えないし手伝う気もないから、とりあえずマネージャーちゃん頑張れ頑張れ〜〜〜！って心の中で応援しておいた


バレーの面白さはまだよく分かんないけど人が部活しているの見ることってあんま無いから面白いな

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