【rtrt】夢小説みたいな恋がしたくて夢小説書いていたけれどそれが現実になったら正直たまったモンじゃない《 完結 》

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仕事終わり、疲れ切ってアルコールしか頭になかった私は週2ぐらいで来ている最寄り駅の日高屋でレモンサワーとツマミを頼み1人で終電帰りお疲れ様会をしていた

ジョッキ片手に中3ぐらいからやっている夢小説のサイトをスマホで開く、もう人の作品なんて読むことも無くなって評価は伸びないけど自分が好きな作品を更新するのが主な活動になってしまった



けれど私はもうそれで良かった



他人の評価もあったら嬉しいけど、それより自分の妄想を文に書き起こしてそれを見て顔を緩ませるのが好きで酒のツマミにも私の疲れた精神を癒すのも文にストレスをぶつけることも全て、これで良かった

だから今日も1人で自分が書いた自分の好みのもう何度も読んで内容も文も覚えている筈なのに萌える夢小説を見てにやにやしていると




｢え！これ書いとんのおねーさんなん？！！｣




なんて後ろから声を掛けられた

その声は聞き覚えのある男性の声
少し嫌な予感を感じながら後ろを振り向く





｢てことは綺羅璃さん？！！｣





私の作者名が、呼ばれる

聞き覚えのある、もう6年近く聞いてきた声に

マスクしている姿はもう随分画面越しで見慣れたしマスクを外されても流出画像やたぬきで散々見てきた、だからはっきりとこの人って言える、けど





｢ひ、人違いじゃないですか？｣





そう言い残し、残っていたレモンサワーを一気し急いで伝票を持ち外に出る、少しだけ走って背後を確認しようやく一息着く、にしても

カウンター席で書いていた私も不注意といえば不注意だけど、まさか、こんなことあるって思わないじゃん




｢あれ、絶対レトさんじゃん……｣




さっき私に声を掛けてきた男性は恐らくレトさん

レトルトというユーザー名でやっているゲーム実況者でもう私が知った頃よりかだいぶ人気になってアイドルがライブやるようなところでイベントをやるようなアイドル系男性ゲーム実況者

なんでこんなところにいるの？！てか占ツクで夢小説読んでんの？！！本人が夢小説読んでるって声掛けてくるってかなりやばくない？！！とか本当にもう色々気になることはあるけれど、いつもコートのポケットに入れているリップが無いことに気付いてしまった



｢うわ、最悪、あれ買ったばっかだったのに……｣



けど引き返して会うよりか全然良いや、とそのまま歩き出した、いやだってそうじゃん

この歳になって｢はい！貴方の夢小説書いてます！｣って本人に言う馬鹿何処にいる？

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