彼女に焼きもち妬かせ隊（終） ページ8
▽
｢とりぴ｣
名前を呼ばれて目が合う、もう1回軽いキスでもいいからしていいかな、なんて思っていると撫でられていた手で頬を思いっきり抓られた、反射的に思わず声を上げる
｢私、お外であーゆーの嫌ってだいぶ前に行った気がするんだけど｣
｢ごめん！忘れてたわけじゃないけど思わず！｣
｢もう私の食べたかったモンブランタルト買ってくれなきゃ許さない｣
｢あ、それなら｣
自分の車に目線を行かせるとAちゃんも同じように視線を俺の車のほうに、どうせ2人で食べるつもりだったからこんなタイミング良くて良かった
Aちゃん外でバカップルみたいなことするの意外と嫌いだし女々しい男も束縛も嫌いだって全部分かっているけど、どうしてもしてしまいそうになるのはなってしまうのはAちゃんのことが好きだから
って伝えてもきっと眉をひそめて嫌な顔をすることも分かっているから俺は明るい声で楽しい話をAちゃんにする、べた惚れって本当に怖い
｢Aちゃん食べたいって言ってたな、って思って気付いてたらそのモンブランタルト買ってたから家でちょっと遅いおやつにしよう？｣
｢する！とりぴ大好き！はやくはやく！｣
｢はいはい｣
俺の手を引っ張り車の前まで案内してまだかまだかと言いたげに小刻みにジャンプしてる、どんだけ楽しみにしてたんだろう、とかこれでさっきのこと帳消しになるんだ、とか色々言いたいことはあるけど
助手席に座り鼻歌を歌いながらシートベルトを着ける姿を見ると凄く安心した、俺の隣はやっぱりAちゃんがいいな、って
さっきの香水の匂いだって勿論嫌いじゃないけどAちゃんの香りとコンビニ特有の油の匂いが交じった不思議な匂いの方が心地良いし、車に乗りこんですぐ今日のバイトの話をしてくるAちゃんの話も声も全部好きだし落ち着く
15分ぐらいバイトの話をしていると、さっきのことを思い出したかのように
｢にしても、思わず私の食べたいもの買っちゃったり私が読みたい本思い出して買っちゃったり、女の子と遊んでたのに私のことばっか考えてるなんてとりぴは可愛いね｣
って可愛く笑うから思わず
｢Aちゃんのこと好きだからだよ｣
｢んふ、知ってる｣
お決まりのその返事も目を細めて笑うのも知ってたけど、それでも伝えたくなるのはなんでだろう、運転中じゃなかったら絶対キスしてた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう(プロフ) - 作品を読んで言葉遣いに衝撃を受けました。こんなに素敵な文章書かれる方がいらっしゃって、感動し、今纏まらない言葉を書き連ねています。柔らかく人間味のある表現がとても好きです。執筆活動を陰ながら応援しております。長文失礼致しました (2018年1月17日 16時) (
レス) id: e25d9f6b92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：右京大河
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ukyota/
作成日時：2017年10月19日 13時
