平成最後の夏だから（終） ページ13
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俺の夏祭り計画が決定した日から数日経ったある日
今日は平日のど真ん中で昨日明日はテストで今日はテストが無く部屋で明日の勉強、そんななか突然音を鳴らすスマホを見ればAちゃんからの呼び出し
今日バイトだったっけ？と思いながら電話に出ると後ろから蝉の音、大学帰りかな
｢もしもし、どうしたの？｣
｢いや、今度お祭り行くじゃん？｣
｢うん、そーだね？｣
｢ちょっとそのことでさ、今から家行って良い？｣
｢えっ、良いけど汚いよ？！｣
｢気にしないって、じゃあまた後でね｣
そう言われ一方的に電話を切られる
えっ、何だろ、やっぱり行きたくないとかそういうオチ？！？！
いやでも俺誕生日だし！！！俺の誕生日は俺が主役だから好きなようにしていいってAちゃんいつも言うし！！！平成最後の夏だし！！！もう今回ばかりは俺もぜってぇ引かねぇから！！！と意気込みながらいそいそと部屋の掃除を始めた、流石にこんな散らかった部屋に招き入れるわけにもいかないし
さっきの電話から20分後、部屋のチャイムが鳴る
扉を開けるとむわぁ、とした空気、そして目の前には汗だくの彼女とその手にはコンビニのビニール袋
｢お邪魔しま〜す｣
｢いらっしゃい、外暑いね｣
｢だからアイス買ってきた｣
｢もう食べる？冷凍庫入れておく？｣
｢もう食べよ、とりぴチョコで良かった？｣
｢うん！｣
クーラーの効いた部屋に招き入れて2人で小さな座卓で向かい合ってカップアイスを開ける、少し溶けているけどこれもこれで良いもんだ
にしても何だろ、急に来るってことは要件があるってことだし、しかも話的に夏祭りのことみたいだし、本当何だろ、いや、もうここは先手を打って俺から話を切り出しておくほうが賢いか
｢ねぇ、Aちゃん｣
｢ん？なに｣
｢俺今回の夏祭りデートは絶対妥協しないし嫌って言われても今回ばかりは付き合ってもらうからね？｣
よし、ちゃんと先手打った！！！
これなら大丈夫だろう！！！
と思っていると彼女は目をパチクリとさせ
｢え、何言ってるの？｣
｢へ？｣
｢折角の夏休みだし平成最後の夏なんだからさ｣
そう言ってリュックから取り出したのはレポートのようにまとめられたコピー用紙、よく見ると、それは旅館やらお勧めスポットやらをまとめたもので
｢ちょっとパーッとお祝いさせてよ｣
その言葉の意味が分かった途端、今度は俺が目をパチクリとさせてしまった、本当、ずるい人だ
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ゆう(プロフ) - 作品を読んで言葉遣いに衝撃を受けました。こんなに素敵な文章書かれる方がいらっしゃって、感動し、今纏まらない言葉を書き連ねています。柔らかく人間味のある表現がとても好きです。執筆活動を陰ながら応援しております。長文失礼致しました (2018年1月17日 16時) (
レス) id: e25d9f6b92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：右京大河
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ukyota/
作成日時：2017年10月19日 13時
