平成最後の夏だから ページ12
▽
｢Aちゃん夏祭りに行こう！！！｣
40℃以上の日が続く猛暑の今年の夏、俺達大学生は数年前夏休みの始まりだったこの週はがっつりテスト期間であって俺も大学でテストを受けていた
俺と同じように違う大学でテストを受けていたAちゃんと駅前で合流してお昼を食べながら夏休みのことを話している
俺は平成最後の夏だしどうせなら色々したいと思って花火のある夏祭りを何個かピックアップしていた、勿論テスト勉強なんてそっちのけで
けれど彼女の返事は聞く前から決まっていて
｢絶対嫌｣
ぴゃりとした返事が笑顔で返ってくる
表面上は笑ってられるけど心の中の俺は大泣きよ
いやね、知ってたけど、知ってたけどね！
やっぱ淡い期待はしちゃうわけじゃん！！！
だけど俺は夏の思い出を作りたいわけ！！！
勿論Aちゃんと！！！
だから今回は引き下がらない！！！
とりっぴぃ！！！漢を！！！見せます！！！
｢浴衣に！！！花火に！！！金魚掬い！！！それにAちゃんの好きな林檎飴も売ってるよ！！！｣
｢でもさぁ、暑いし人混みだし花火煩いし何より帰りの電車死ぬほど地獄じゃん？！それに林檎飴なら新宿に専門店あるし……｣
｢お願い！！！そこを何とか！！！｣
｢え〜〜〜｣
くっそ、やっぱAちゃんにゴリ押しは効かないか、てなるとAちゃんが納得するような提案を出すしかなんだよなぁ、そう思っていると1つ
良いことを思い付く
思わず笑いそうになる顔を抑えて
Aちゃんにとあることを問う
｢ねえ、Aちゃん、俺の誕生日いつだっけ？｣
｢え、8月19日でしょ？｣
何当たり前のことを、とでも言いたそうな顔をする彼女にさっき開いたスマホの画面を見せる
そのスマホの書いてあるのは関東のちょっとした観光地で開催される花火大会の詳細、開催場所とか日付とかどういう花火が上げられるとか、そんなの
でも俺がAちゃんに見て欲しいのは日付だけ
そう、8月4週目の日曜日の日付だけ
俺の企みが分かったのかAちゃんは何か察したようでスマホから目を外し俺を見てくる
｢お祭り、行こ？｣
すかさず首を傾げて目を細める笑顔で追い打ちをかければ、そりゃもう彼女は仕方なさそうに笑い頷いた
よし、勝った……！
珍しくAちゃんに勝った……！！！
母ちゃん有難う！！！俺のこと夏に産んでくれて有難う！！！お陰で息子は平成最後の夏に最愛の彼女と夏祭りデートの約束をもぎ取ったよ！！！
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ゆう(プロフ) - 作品を読んで言葉遣いに衝撃を受けました。こんなに素敵な文章書かれる方がいらっしゃって、感動し、今纏まらない言葉を書き連ねています。柔らかく人間味のある表現がとても好きです。執筆活動を陰ながら応援しております。長文失礼致しました (2018年1月17日 16時) (
レス) id: e25d9f6b92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：右京大河
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ukyota/
作成日時：2017年10月19日 13時
