【短編】道端に咲く花【実l況l者】

好きの伝え方【ky.fj】 ページ6

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好きになったあの子は笑うと出来る笑窪が特徴的で
どこか華やかな雰囲気を持った可愛らしい女の子だった

可愛いね、って褒めても、好きだよ、って言っても少し照れた顔をして有難うとお礼を言うだけで俺のことなんて全然相手にしてくれない



ねぇ、好きってあと何回言えば伝わりますか？



って言っても俺もまだキミの名前を呼び捨てにしては照れちゃうからヘタレってまたキヨとうっしーに馬鹿にされ、ヒラとこーちゃんに励まされる、そんな毎日

でも、そんな毎日が少しずつ変わろうとしていた



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｢今日も可愛いね｣


そう言って今日もイケメンオーラを出す同じ学部の藤井くん、通称フジがまた私の隣に座ってまたアホなことを言ってくる

もう何回その言葉を聞いたんだろう
絶対私で遊んでいるでしょ

高校時代の友達にこのフジの話をしたら｢えー！モテキじゃん！｣なんて羨ましがっていたけどこのイケメンが私に構うなんて絶対遊んでいるからに決まっている、けど嘘だとしても言われて嬉しくないわけじゃない


むしろ大学の入学式のときから女子たちの中ではイケメンだと言われていて注目の的になっていたし私も同じように彼を見て気になっていた

初めて同じ授業を取って隣に座られて話しかけてくれたあの日から、いつも決まった同じような会話をして隣でフジの体温を感じる、嫌いじゃない、けどせめてもっと違う弄り方をして欲しいものだ



｢そういえば今日の課題ちゃんとやった？｣
｢え？なんかあったっけ？｣
｢今日の夕方17時締切、ちゃんとメールみなよ｣



焦ってスマホを見て｢ほんとだ｣と1人で項垂れているフジは体格が良いくせに何だか子犬みたいで少し可愛らしかった


｢ねぇ、A、手伝って……｣
｢やーだ｣
｢そこを何とか……！｣
｢もうイケメン集団に手伝ってもらえばいいじゃん｣
｢なに？そのイケメン集団って？｣



しまった、これは女の子だけで噂するときのワードか、本人の前で言っちゃったわ

フジの周りにいる人たちはイケメンばかりでよく噂されている、彼女はいるのか何が好きなのか噂ではファンによるグルチャもあるらしい、あくまで噂だから本当かどうかは知らないけど


｢えっ、なにそのイケメン集団って｣


と不思議そうな顔で聞いてくるフジはきっと自分がモテていることも注目されていることも知らないんだろう

私がフジと仲良いというか無駄に構われているせいで1部の女子から色々言われていることも

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