【ab】りんご系少女は今日も髪を揺らす《 完結 》

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｢ねぇ、手、繋いでも良い……？｣









正直これの答えに期待はしていなかった
首を横に振ってそれに合わせて
ポニーテールが揺れるのも想像が出来ていた









｢……良いですよ｣

｢そうだよね〜ダメだよね〜って、え？｣

｢……手、繋ぎましょう？｣









こくんと頷いたポニーテール
俺の予想と違っていて
少し、いや、かなり冷静を欠けていた

何ベタなボケをしてしまったんだと
自分の言葉を振り返ると恥ずかしくなる

そっと手を繋ぐと緊張しているのか
微かに震えている

人肌の暖かさや感触
彼女がそこにいて俺の隣にいること

分かりやすく実感して好きという感情が
これだということを知ってしまった









｢Aちゃん｣

｢はい、何でしょうか……？｣

｢好きだよ｣









そう愛を呟いたって
そう本当の恋を知ったところで
きっと俺の気持ちは彼女には伝わならない

俺の今までの行いのせいで
俺の好きは軽い好きになってしまって
俺の初めての恋は伝わらずに
儚く散ってしまうのが落ちなのかもしれない

はすおにでもレトやんでも誰でも良い
切実に一途に君のことを愛してくれる人と
幸せになってくれた方が
俺にとっても幸せなのかもしれない









｢嘘みたいに聞こえるだろうけど｣

｢何でか理由なんて分からないんだけど｣

｢Aちゃんのこと好きみたい｣

｢やっと真剣に恋が出来そうだよ｣









そう言って真っ直ぐに彼女を見ると
どうしたらいいのか本当なのか
疑心暗鬼に包まれた
そんな表現が正しい表情をしていた

今までごめんね
今からでも俺のことを信頼出来るように
頑張っていくから信じて欲しいんだ

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