キャットフード＊spa ページ5
「あの...…セピアさん、何食べましたか?」
一週間程の出張から帰ってきた私は、床に倒れて唸っているセピアさんの姿を見た。
なんとも哀れで、もしかしてと思って声をかける。
『セピアさん、私がいない間ちゃんと食べれますか?』
『もちろん、任せておいて』
家を出る前日、彼とこんな会話を何度かしてその度に彼の余裕の笑顔を見た。
だから、なんの気もなく家を出たのに。
鞄を肩から降ろし、数個の紙袋をテーブルに置く。
今にも意識が飛びそうな彼の肩をポンポンと叩き、安否を確認する。
「セピアさーん……」
「う……Aちゃん? やっと帰って……」
顔を上げたセピアさんは、どこかやつれているような気がして、思わず食卓を振り返る。
妙に片付いているキッチンの奥。
摩訶不思議な香りがして、そこまで歩みを進める。
「……嘘でしょ」
ビリビリと破かれた青い袋。
そこからさらに透明な袋に、丁寧に穴が開けられていた。
そう、キャットフード。
うちに猫はいないはずだが、と思って部屋をぐるっと見回す。
ああ、大きい猫が一匹。
「Aちゃん……ご飯」
「はいはい」
今にも消えそうな細々とした声が聞こえて、服も着替えないでコンロに火をつける。
ごくわずか減ったか減っていないかわからないキャットフードだった。
彼がこれに口をつけたのか寸でのところで止めたのか定かでなないが、
今はとにかく、おいしい料理を作ってあげなくては。
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yukinaryuel(プロフ) - はじめまして！短編集拝読させていただきました！皆さんの作品、ヒロインちゃんも可愛ければお相手さんも可愛くてキュンキュンしてしまいました！ごちそうさまでした！必読の方も読ませていただきました。心中お察し致します……。応援しております。 (2017年10月14日 21時) (
レス) id: 5ca33cd35d (このIDを非表示/違反報告)
鳩夏 - セピアさんがキャットフード食ったのか食ってないのかより猫の方が気になる… あ！私こんなほわほわ〜みたいな暖かい感じの小説大好きなんです！応援してます！頑張ってください！ (2016年1月12日 0時) (レス) id: f648dcbed7 (このIDを非表示/違反報告)
右京大河#ポン酢(プロフ) - ゆるふわさん» コメントありがとうございます！ゆるふわさん〜いらっしゃいませ〜！結構有名どころ集めちゃいました！みんなうきょんのおとももちですよ(自慢)とりあえずうきょんが代表してコメントお返事してますがとても良い作品になっていると思います(｀・ｖ・´) (2015年11月29日 22時) (レス) id: 883254d15d (このIDを非表示/違反報告)
右京大河#ポン酢(プロフ) - ノイジィ@ご注文は子猫さん» コメントありがとうございます！うきょんの好きな作者様ばかりなので私も読んでて幸せになります……っ！コラボ楽しいですけど計画して連絡するの大変なので企画者より参加するほうをオススメしますよ……((( (2015年11月29日 22時) (レス) id: 883254d15d (このIDを非表示/違反報告)
右京大河#ポン酢(プロフ) - 癒夏さん» コメントありがとうございます！みんな多忙だからゆるゆる提供していくつもり(●´ω`●)！まぁ、うきょんのおとももちだからみんな良い人だし良い作者さんだと思ってるからレベル高いはず……笑 (2015年11月29日 22時) (レス) id: 883254d15d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：主催：右京大河
x他3人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ukyota/
作成日時：2015年9月16日 21時
