赤緑短編集

狂愛カウントダウン ページ38

一般人パロ
赤side

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この世界は綺麗なことばかりではないとつくづく思う。社会人として後輩が増えてきた俺の周りも忖度や贔屓は確かにあって。苦しいことも沢山あって。

あぁ、でも、やっぱり君は、いつだって綺麗だ。

「...げ？しげー？起きーや？」
優しく揺すられる振動と、柔らかい声に意識が浮上する。瞼を開くとさっきまで夢で光輝いていた神ちゃん。
「仕事そんなに大変なん？無理せんでな？」
彼はまだ大学生で、男性ながら痴漢されているところを助けた時から交流が始まり今や電車で会ったら喋る仲。
「ん、仕事忙しくて。神ちゃんもこんな時間に大学終わったん？」
「うん、図書館でレポートやっててん。そんな事よりちゃんとベッドで寝ぇへんと体痛くなるから力尽きへんようにな？」
9
そのベッドに君がいてくれたらどれだけ幸せなのだろう。寝る時は君を抱きしめて眠りたい。
起きた時君の寝顔を見ながら二度寝したり覚醒したり。
帰ってきた時も君がいてご飯を作ってくれて...。
食材は俺が1週間分まとめて買うよ。
8
ネット注文も今は置き配があるから見られて惚れられる心配は無い。
7
そうだ、世界は苦しくて怖くて綺麗な君には似合わない。
6
部屋にずっと居て。外に出たら君が嫌な思いをするだろうから。
5
そしたら俺が、俺だけが君を守ることが出来るから...。
「しげ！！！！！！」
神ちゃんの大きな声に意識が引き戻される。目の前の神ちゃんは心配そうに眉を垂れさせていた。
「ホンマに大丈夫？ずっと呼んでたんやで？」
「あぁ、ごめん、なんかぼぉっとして...。」
「よっぽどやん、無理したらあかんよ？」
「ん、大丈夫。」
大丈夫
「そか、じゃあまたな。」
「うん。」
大丈夫
大丈夫だ。意識はハッキリとし始めた。まだ大丈夫。
俺のエゴで決めてはいけない。
神ちゃんが笑顔で過ごせるのが1番だ
考え込みすぎて速度を上げたカウントダウンも復活した。
俺が君を閉じ込めてしまうカウントダウン。
本来あってはいけないもの。
大丈夫
わかってるから。
これが正しいと限らないと。
大丈夫
君の事は俺が1番分かっているから。
「俺がこうやって笑っていられるのは、しげが元気な姿で居てくれるからなんやから。はよ元気になってな。」
ドアから降りながらそう言って笑う君は世界で1番美しかった。


...4




「なぁしげ、早くそのカウントダウン0にしてな？俺は出会った時からもう攫って欲しくて仕方ないんやから。」

愛情方向性→←楽しむ時間は大切なもんで

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