目覚めてもきっと-3 ページ28
「シゲ！？い、今の聞いて…」
「神ちゃん。」
「んあー？あ〜しげやぁ〜！夢でもしげに会えるなんて幸せやなぁ。」
「か、神ちゃ…」
意識が少し浮上したのか寝ぼけ眼でこちらを見る神ちゃんはどうやら今は夢の中だと思っているらしい。対して今の状況と流れから気が気でない小瀧。意識が戻った神ちゃんが傷つかないようにどうフォローしようか悩んでいるのだろう。
「なーのんちゃん！夢やけど、しげが来てくれた！」
「いやだから…」
「んふふーしげーしげぇー好きぃーー。えへへ。」
ふにゃふにゃ笑いながら俺の胸にポスンと収まり手を背中に回す。
「しげ暖かい…好き…」
頭を遠慮なくグリグリと押し付けてきたので片手を背中に回し、もう片手で頭を撫でたら「ほぅ」と息を吐くのを感じた。
「本物には嫌われてるけど…夢でこうしてもらえるだけで幸せやぁ…」
「神ちゃ…」
小瀧の言葉を遮るように背中に回していた手を己の口元に持っていき人差し指を立てる。それを見た小瀧は不安そうにしながらも口を閉じてくれた。
ここからは俺が男気を出す番だろう。好きな人の悲痛な本音を聞いて黙ったままな人間じゃない。
「神ちゃん」
「んぅ〜？」
「好きやで。愛してる。」
「うれ、嬉しっ、こんなに贅沢で幸せな夢は初めてや。」
甘い声が出たのは無意識だったが仕方がないだろう。こんなに可愛い神ちゃんが近くにいるのだから。
あんぐりと口を開いて信じられない様な顔をしている小瀧が目の前に居ても許せてしまう。
「もう、泣かんといてや。目ぇ腫れてまうで？」
「だって、だって嬉しいんやもん。へへ、夢ならキスしてくれんのかな…」
「して欲しいん？小瀧に見られるで？」
「夢なら本人ちゃうしええもん。…あかん？」
「ええよ。」
目を潤ませ顔を傾けながら上目遣いをしてくるあざとさに胸を締め付けられる。無自覚だから余計にたちが悪い。我慢なんてできるわけなく目の前の小さな口に噛みついた。
顔を覆いながら指の隙間からガン見している小瀧の記憶からは後から消えていただこうと心に決める。
「ん…ん、はぁ…うれし…」
「ん…可愛い。神ちゃんお酒飲んで泣いて疲れたやろ？もう目ぇ瞑ってしまい？」
「やや…ずっとこの夢の中に居りたい…」
「もう目ぇトロンとさせて何言うてんの。安心し、次目が覚めてもきっとハッピーエンドになるから。」
「ほんま？」
「おん。やから安心し。おやすみ。」
「おやす…み…」
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こめこ(プロフ) - さくさん» さく様 コメントありがとうございます！久しぶりの割には量も内容も薄いなぁと思っていたのでコメントで嬉しいお言葉をいただきホッとしております。さく様にとって定期的に読みたいと思える話を作れていたのなら本望です。改めてありがとうございます！ (4月9日 12時) (
レス) id: e2c256bfb1 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - こめこさん！はじめまして。こめこさんの赤緑が大好きで定期的に読み返して癒しをもらってます♡新しいお話読めて嬉しいです(* ˊᵕˋㅅ)ありがとうございます！ (4月9日 8時) (レス) id: c5d17ce2c7 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - たまごんさん» たまごんさん！コメントありがとうございます！あげた後はいつも「これはあり寄りのあり？なし？」と思っているので感想を頂けるのは嬉しいですね！本当にありがとうございます！ (2022年9月29日 17時) (レス) id: 682a85edc3 (このIDを非表示/違反報告)
たまごん(プロフ) - こめこさん！！待ってました♪今回のも可愛くてほっこり……。めちゃくちゃ癒やされました！ (2022年9月29日 13時) (レス) id: f5c1be6b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2021年5月16日 10時
