赤緑短編集

鈍感な2人の恋模様 ページ23

緑side

幼馴染みのしげと3か月くらい前に付き合うことになった。
今まで色んな女子と付き合っていたしげと付き合うことになるとは思ってもいなかった。
きっかけとして、俺がずっとしげのことを好きで、しげに彼女が出来る度に失恋をし、早く諦めたいと思っていたほどだった。
そんな中、俺・しげ・流星の三人でお昼を食べていた時に元々相談をしていた流星から「神ちゃんは同じ人相手にいつも失恋してて辛くないん？」と話を振ってきた。
「え、そうなん？」
「いつも放課後に「また失恋したぁ…」って涙目になりながら相談してくんねん。」
「…へぇ」
「諦めたら？って聞くと「でも好きなんやもん」って。気持ちを自覚した時なんか相手も男だからって葛藤してたのも含めていじらしいよな。」
本人目の前にしてそんな話をしたくないのに、しげと流星が勝手に話を進めていく。
「ええやろ別に！」
話を終わらせるべく流星のコロッケを食べる。
「あぁ！俺のコロッケ！！コロッケパンのコロッケ取られたらパンやん！！…あ、パン旨い。」
「人の話持ち出した罰じゃ！！てかパンだけで食うんかい！やった俺が言うのもなんやけどちゃんと怒り？ほら、俺の唐揚げあげるからそれで食べ。」
「うわっ！やった！神ちゃん優し！！」
流星とケタケタ笑いながらやり取りをしているとしげから「神ちゃん」と呼ばれる。
「ん？どしたん？」
「…あのさ、そいつずっと追って失恋繰り返すんやったら、俺にし。」
「へぇ？？」
「俺なら絶対神ちゃんを悲しませたりせんよ。幸せにする自身もあるから。な？俺にしとき？」
「えっと…？」
「な？」
「う、うん…？」
「うん、よし。今から恋人な。よろしく。絶対そいつ忘れさせて俺と付き合って良かったって思わせるから安心し。」
いや、まさしくそいつと付き合うことになりましたけど。
それから、早速その日の放課後にデートをし、その後も放課後や休日にデートを重ねた俺らは一通りカップルがしそうなことをした。
しげに何かメリットがあるようには見えないが、しげとのデートは楽しくてますます好きになっていった。
普段は幼馴染みのような親近感なのに、二人きりになると恋人への甘さが追加されてクラクラする。何個心臓あっても足りんわ。

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