赤緑短編集

犬も食わない-2 ページ12

「...しげが俺の事可愛いって言う...」
「うん...うん？？？？？？」
俺の反応は間違っていないらしい。他4人もポカンとしてるし。
「えっと、モンチ...??」
「しげがずっと俺の事可愛いって言うねん！俺はライブに向けてかっこよく行こうとしてるのに！！攻めた色に髪染めても可愛い、衣装当ててみても可愛い、格好いいと思う表情にしても可愛い！！何でも可愛い！！！！酷いと思わん！？！？」
「...酷い...なぁ」
喧嘩の理由が。
「俺が格好いいって言って！って言うても可愛いばっかり！」
「そりゃあ、ライブ本番の時はまだしも通常時の神ちゃんは可愛い方が勝つんやからしゃあないなんか！神ちゃんに対して嘘とかお世辞言いたないし！色々見て結局素の神ちゃんとして見ると可愛いが勝つし、そう言うんは当然やろ！」
「素の俺を見るんやなくてライブの時をイメージして言えばええやん！」
「今目の前に神ちゃんが居ったらそっち見てまうに決まってるやん！その時見る神ちゃんが最新なんやぞ！？それに俺いつも言ってるやん！自分が思ってる以上に可愛くて魅力的なんをもっと自覚してって！」
シゲも反論して話すようになって双方の意見がわかった。わかった上で言いたい。どうでもいいと。
淳太くんなんてもう話聞いてへんし、タカヒロは望に遊ばれとるし、流星は寝た。寝んのはやない？あとシゲの愛情デカイな。
どうやって終わらそうか考えていると淳太くんと目が合う。目が「お前が行け」と言っている。
喧嘩を終わらすきっかけは淳太くんが作ったから収束は俺ってこと？えぇーーー...
「あ、あーーーと、シゲ？...んーー、例えば「可愛い＋格好いいが合わさってより最高やん！」みたいに言えば良かったんちゃうかなぁ...そしたら嘘ちゃうし、より魅力的だって伝わるんやない、かなぁ...はは...」
「...」
「モンチもさ。今の聞いたらシゲはモンチのことホンマに好きでメロメロって伝わるやん...?モンチの事が好きすぎる故に他の人よりモンチの事可愛く見えてしゃあないんやないかなぁ...なんて...」
「...」
俺が問うと少し冷静になったのか申し訳なさそうに見つめ合う2人。
最初に口を開いたのはシゲ。

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