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「見たくなかった...」
エドはまたもや目を見開いて男を凝視する
「嫌な思い出から逃れたかった
しでかした事の痕跡を隠したかった」
男がエドにズンズンと近付いてくる
隣で見ていたAも
男の気迫に負けそうになっていた
なんせ今は人体練成の話
思い出したくもない話だから余計だ
Aは男とエドとを交互に見ている
エドも負けじと声を張る
「違う！！」
「寝小便した子供がシーツを
隠すのと同じだ
逃げたな
エドワード」
男はなんともいえない大きなオーラで
エドを見下げた
エドは歯を食いしばった
「てめぇに何が分かる！！！」
エドは反対を向いてズカズカと歩き出した
「クソッ！
胸くそ悪い」
エドはズンズンと墓を後にする
Aはどうしようかとオロオロしていた
「俺の若い頃そっくりだな」
『そうなんですか？』
不思議そうな顔でAを見る男
「あぁ
本当にそっくりだよ...
ちょっとそこの女の子」
男がチョイチョイと手招きする
少し不安になりながらも近付くA
「君は？」
『あ！
名前も名乗らないで...すみません
Aです』
「Aちゃん...
あぁ！ピナコから聞いたよ
あいつと一緒に旅をしてるんだってね」
『あ はい』
「それで今はエルリックと名乗ってると...」
『あ！
すみません...
勝手に人様の名字を...』
Aは慌ててお辞儀した
「いいんだよ
何か分けありなんだろ？」
先ほどエドと話していたときの雰囲気とはまるで違う
「俺はホーエンハイムだ
よろしく」
『よろしくおねがいします』
Aは笑顔で返した
「Aちゃん」
『はい』
「ちょっと顔色が悪いようだけど
大丈夫か？」
『え！？
あ 大丈夫ですよ！』
「少し休むといい
ピナコの家戻ろうか」
『い いえ！
私はお墓参りしたら
別用で出るんです』
「いや
大丈夫じゃない
ほら行こう」
『え！？
いや あの！』
人の話を全く聞かないホーエンハイムに引き摺られて
墓参りを済ませて
ピナコの家に行くことになったAだった
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