349 ページ2
そしてAの両手を手に取り
そっと握った
「酷いことしちまった...
嫌な思い出を
思い出させちまった...
怒りに覚めた後考えたんだ
辛いのはAも同じだって
オレらより先に知っていて
辛かっただろう...
ごめんな A」
自然とAの瞳から涙が溢れた
エドは手を伸ばしAの頭に手を置いた
『わ 私っ
自分をずっと責めてた...
エドたちが私と同じ事を思ってしまうのなら
言えないって...っ
思ってた！』
「やっと敬語外れた」
『え？』
涙を流している瞳が見開かれる
「お前は今日から
A・エルリックだ
帰って来い
A」
エドはニッと笑った
Aはまたもや目を見開く
『いいの...？』
「なに言ってんだ！
いいっつったら
いいんだよ」
『うん...っ
ありがとう』
やっとAにも笑顔が戻ってきた
そして大人たちが戻ってきて
各自 瓦礫に腰をおろす
「仲直りは済んだか？」
「おう」
『もう大丈夫です
心配かけました...』
「いいわよ
Aちゃんは笑顔が一番だもの」
『ありがとうございます』
ペコリとお辞儀をするA
「さてと！
あまり長居もできないんでな
話の続きといこうや」
ブレダが話を進めた
今度はAも交えて
「ロス少尉救出のほかにも
軍に作っている黒幕を
吊り上げてみようと思いましてね」
『吊り上げる？』
「第五研究所の秘密を握るバリーが
あれだけ派手に暴れたんだ
必ず口封じにやってくるさ」
――――
セントラルでは
何者かが唸って街を見下ろしていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
