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エドが扉を閉めて
3人で帰ろうとしたとき
中から声が聞こえた
「ママ...ママ泣かないで」
エドはやり切れない思いで
寂しい顔をした
そして帰り道
誰ひとり声を発さなかった
宿についてウィンリィが部屋に入るときも
悲しそうな顔をして
そのまま部屋の中に入っていった
ウィンリィはベッドに入って
ずっと枕に顔を押し付けていた
アルは椅子に座って暗い部屋の中1人でいた
エドは食堂で食事をしていたが
手が止まってしまう
そしてエドが食堂から
部屋の方へと戻った時
ウィンリィの部屋をノックした
「ウィンリィいるんだろ?」
そしてウィンリィが元気の無い表情で
少し扉を開けた
「メシ
まだ食ってないんだろ?
もうすぐ食堂閉まっちまうぞ」
「...うん」
「食っとかないと
身体もたないぞ」
「...うん」
「じゃオレ部屋に戻って...」
ガシャッ
エドの右手をウィンリィが握った
そして2人は部屋に入りソファに腰掛ける
「アップルパイ?」
机の上にはバスケットに入った沢山のリンゴがある
「あれから
何度か練習したの
自分で言うのもなんだけど
上手くなったんだよ
とても
グレイシアさんとAには
かなわないけどさ」
ウィンリィの瞳から涙が溢れる
「いつか...っ
ヒューズさんにも食べてもらいたかった.........!!」
「!!!」
エドは目を見開いた
ウィンリィがとうとう泣き崩れてしまった
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