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その頃ロイは
トイレで顔を洗っていた
ガシャコー
後ろのトイレから水を流す音が聞こえた
その中にはアームストロングがいた
頭が飛び出したのですぐに分かる
「どうも」
「...あぁ」
ロイは青い顔をして返事をする
「少し
お痩せになったのでは？」
「かもしれん
怪我をしたのか？」
ロイはアームストロングの頭の包帯を見る
「南で少しありまして
...なぁに
かすり傷です」
「そうか...」
「エルリック兄弟に会いましたぞ
ダブリスの師匠に会いに行ってたとかで
偶然...」
「少佐」
「はっ」
「ヒューズの死は伝えたのか？」
ロイの眉間に皺がよる
「いえ...
言えませんでした...」
「Aはあの２人に言った
様子はあったか？」
「A殿は知っておられるのですか！？」
アームストロングはかなり驚いているようだ
「あぁ
電話がかかってきてな
本当の事を言ってくださいと
強く押されたから
本当の事を言った」
「...そうですか...
辛い様子を見せなかったものですから
知りませんでした
A殿もきっと
あの２人にはまだ言っておられないでしょう
あの２人が私に何も言ってきませんでしたから」
「そうか...
しかし少佐
いつかは知れる事だ」
「分かっております」
アームストロングはロイの後ろを通って
トイレから出ようとした瞬間
「第五研究所と賢者の石
賢者の石の材料は“生きた人間”」
「むぅ！？」
「世話好きのあいつの事だ
エルリック兄弟が調べていた事に
首を突っ込んで
知らなくてもいい事を知ってしまった...
違うか？」
アームストロングは黙ってしまう
「自分達にかかわりを持ったせいで
ヒューズが死んだと知れば
兄弟が傷つく...か...
人が良いな キミは」
「よくお調べに」
アームストロングが振り返り
造ったような笑みで微笑んだ
「もう一息だ」
「お気を付けください
どこで誰が聞いているかも
わかりませんので
では お先に」
そしてアームストロングは出て行った
――――
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