280 ページ32
「!!」
リンが指を鳴らした瞬間
エドの後ろに人が現れ
刃物をつき向けられていた
アルも脇に刀を突き刺している人が現れた
「!!?」
そんなことがある中Aは
未だリンの顔をじっと見ている
「教えてくれないかナ」
「賢者の石を何に使う」
そして今度は歯をむき出して口角を上げた
ニヒッ
「手に入れル
不老不死の法を!
教えてくれないかナ」
リンは立ち上がりエドの方を向く
「くっだらねぇな
不老不死なんざ」
「真剣だヨ?」
『不老不死...』
Aは呟いている
「お嬢さんも何か知ってるなら
教えてくれないかナ」
目線が目の前にいるAを捕え
Aの顎に手を添えて
顔を自分の眼線になるよう上を向かせた
その行動にエドとアルは歯を食いしばる
『何するんですか』
A強い目でリンを見据える
「ね 教えてくれないかナ」
『...賢者の石は...』
エドはその言葉に目を見開いた
Aが賢者の石について
言ってしまうのかと思ってしまったから
でも実際は違う
「賢者の石は?」
『賢者の石がもしあったとしたら
“手に入れたい”と願う者
それを何かに使おうとする者の手には
渡らない』
エドとアルは黙って聞いている
いつのまにかAの敬語が
はずれている事に2人が気がついたから
初対面の人で敬語が外れるのは
Aが相手の心中を探ろうとしている行為か
もしくは心のどこかで怒っていると言う事
「それじゃ
もし賢者の石があったとしテ...
その賢者の石を手に入れることができるのは
どういう人なのかナ?」
『...賢者の石を手に入れても
それを使おうとしない人』
まだ顎をつかまれたままだったが
強い瞳をリンに向けたままだった
「...はぁ...
そんなの賢者の石を手に入れた
意味ないじゃないカ
なんにも使わないなんテ」
『それくらい
危険なものだから』
「なにが危険?」
『知らない』
「......」
『......』
35人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ