検索窓
今日:23 hit、昨日:10 hit、合計:17,845 hit

265 ページ17

アルは両手で顔を覆った




「助けられなかった...っ」




アルは泣いている




『アルは
悪くないよ』




「そうだ
アルは悪くない
さ!帰ろう」




エドは笑顔でそう言った




「アル」



アルは顔を上げてエドを見たが返事が無い





「待ちたまえ」




顔を向けると大総統が戻ってきた




「キミたちには
聞かねばならんことがある
ここの黒幕
グリードという男とは知り合いかね?」





「いいえ」




『同じく』





2人は立ち上がって大総統を見る





「重要な情報を聞き出したりは?」





『何も』




「軍の利益になるようなことは」





「勘違いするな
軍のためではない
もし奴等と取引していたなら...
場合によっては
軍の中枢に害成す奴等と手を結んだのか?」





周りの憲兵が全員2人に銃口を向けている





「『いいえ 他に質問は?』」




2人同時に口を開いた



大総統は未だに厳つい目と表情のまま





「キミたち2人の鋼の腕と
弟の鎧姿
何か関係があるのかね?」





「「『!!!』」」




これには3人とも言葉に詰まった




アームストロングも大総統を不安そうな目で見ている





すると大総統の表情が緩くなってニッコリ笑った





「正直者だな」




「なっ」




「引き上げるぞ」




大総統は反対方向へと足を進めた




「キミのその弟
大切にしたまえよ」






―――――――




日も暮れてあたりが暗くなった頃




大総統がイズミの家へとやってきた





「エルリック兄弟のこと
ありがとうございました」





「何も...
国家錬金術師の身を守るのも
軍の任務の一つ
どうですかな?
あなたも軍に守られてみては?」




イズミがポカンと表情を変えた



そして困った表情で言った




「国家錬金術師に?」



「いかにも」



「見ての通り
私は病弱な主婦です
そんなものの力を借りねばならないほど
この国は逼迫しているのですか?」





「ふはははっ!
手厳しいですな!
また来ますよ」





一瞬眼帯の奥の右目が何かを捕えた気がした




「そのときは
心変わりしてるかもしれませんからな」




そう言い残して部屋を出て行った




イズミはなにか疑いの心が合ったのか



眉間に皺を寄せた

266→←264



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
35人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いちご牛乳 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2022年1月24日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。