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病室の扉が開いた
「身体がでかくてさ」
その言葉がアルに火をつけた
ガタン！！
アルは椅子から飛び上がり
エドに怒鳴りつける
「ボクは好きでこんな身体になったんじゃない！！！」
病室に入ってきたウィンリィも
朝食をとっていたエドも
２人の様子をうかがっていたAも
アルを見て停止した
「...わ 悪かったったよ...
そうだよなこうなったのもオレのせいだもんな
だから元の身体に戻してやりたい」
「ホントに元の身体に戻れるって
保証はあるの！！？」
アルはすぐさま聞き返す
「オレが戻してやる
信じろよ」
「信じろって！！！！
この空っぽの身体で
何を信じろって言うんだ！！！？」
ロス少尉もブロッシュ軍曹も
目を丸くして状況がいまいちつかめていない
ヒューズ中佐はただ見つめているだけ
「記憶だって突き詰めれば
ただの情報でしかない
人工的に構築することも可能なはずだ！」
「お前...
何言って...」
「兄さん
前に ボクに怖くて言えなかった事があるって
言ってたよね？
それはもしかして
ボクは...魂も記憶も本当は
全部でっち上げた偽物だってことじゃないのかい！？」
その言葉にエドとAは目を見開いた
「ウィンリィやばっちゃんも
それにAも...っ
ボクを騙そうとしてるんだろう...！？
どうなんだよ！？！！
兄さん！！！！」
ドカッ！！！
エドは机を両手で叩きつけた
その衝撃で上にあった朝食が揺れる
「...ずっと
それを溜め込んでたのか...？」
エドの身体がかすかに震えている
それを見たAは
ゆっくりエドに近付いて
手を背中に当ててエドの顔を心配そうに覗く
『エド......』
「言いたい事は...
それで全部か...？」
「.........」
「そっか...」
最後のエドの顔は寂しそうな顔だった
そしてエドはそっとAの手に
自分の手を重ねて背中から手をどけさせる
そして机を横にどかして
ベッドから立ち上がった
そのまま黙って病室を出てゆく
「エド...エド！」
アルは黙って俯いている
「アルの...」
その小さなウィンリィの声でアルは後ろを振り返る
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