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「...マルコーさん！」
「その男を連れて行かないでくれ...」
移動中のキンブリーについていた
ブリッグズ兵が空を見上げた
「これはマズイですね...キンブリーさん」
「ん？」
「雲が早い」
「こりゃ荒れてきますよ」
ブリッグズ兵が口々にそう言った
「急ぎなさい」
キンブリーはそう言って、先を急いだ
――――――
「研究書の解読？」
マルコーがしまっておいた研究書を取り出して説明した
「アメストリスの錬金術と
シンの練丹術との融合を試みた
画期的な研究なんでス！！」
「しかし
肝心な所が、古代イシュヴァール語で書かれている
これを読めるのはスカーしかいない
だから...！」
マイルズは視線をスカーに戻した
「練丹術の娘だな？」
「！」
「お前を砦に連れてくるよう
命令を受けている」
「えっ！！
わっ私ですカ！！？」
すぐさまマルコーの後ろに隠れてしまうメイ
「安心しろ
手厚く迎えろとのことだ
さて...スカーが捕まるわけにもいかず
マルコーがここにいる事が知られては
マズイとなると...んー...
いっそまとめてみんなブリッグズ砦に
匿うのがいいかもしれんな」
するとエドが前に出る
「ちょっと待てよ！
なんだよそれ！！
こいつも連れて行くってのかよ！？」
「研究書の解読に必要なんだろ？」
「こんな奴の力を借りるなんて
とっととキンブリーに引き渡して...！」
「国土練成陣」
「！」
一言マイルズがそう言った
「そしてこの国の成り立ち
アームストロング少将から聞いているぞ
アメストリス全土を巻き込んで
何かが起ころうとしている
研究書の解読は
何にも増して重要なのではないか？」
「...」
「ロックベルのお嬢さんが
人質にされている事は聞いている
今ならキンブリーに泥を被せて
彼女を匿うこともできる」
エドは苦虫を噛み潰したような顔になった
そして元の位置に下がるエド
ガチャとマイルズは銃口を再びスカーに向けた
「スカーよ
我々に協力するなら裁きは後に伸ばそう
どうだ？」
「......他に選択の余地はないのだろう？
協力を約束する」
「偽りないか？」
「イシュヴァールの血にかけて
赤い目の同胞よ」
スカーの眼は真剣だった
それを見たマイルズは銃口を下げる
「そういうわけだ
すまない、お嬢さん
この者の裁きは暫く待ってくれ」
「はい」
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