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「本部に連絡しますか?」
話に一区切りついたことを見ると
ひとりのブリッグズ兵がマイルズに声をかけた
「あぁ」
「マイルズ、と言ったか
...ひとつ聞いていいか?」
「なんだ」
「俺のことを同属と言ったな」
「そうだ
祖父の代までイシュヴァール人だった」
マイルズは銃口をスカーに向けたまま近付く
そしてサングラスをカチャとはずした
「こんな会い方はしたくなかったな
赤い目の同胞よ」
「なぜ
アメストリス国軍に肩する」
「!」
ブリッグズ兵が反応を見せ、マイルズを見上げた
「この国の内側から
イシュヴァール人の意識を変えるためだ」
「!!!」
その発言に目を見開くスカー
「そう易々と人の心が変わるとは思えん!」
「...いつまでかかるか分からん
だが混血の私だから
できることがある
この身はアメストリス国軍に投じられた
イシュヴァールの一席
小さな波紋がやがて大きな並となる時が来るかもしれん
そしてそのことに気付かせてくれたのは
皮肉な事に、生粋のアメストリス人だった」
「...俺は
あの内乱で生まれた
憎しみと言う名の膿だ
貴様のような奴がいてくれてよかった」
するとブリッグズ兵がひとり近づいた
「少佐」
背から背負っている受話器を差し出した
「本部か
こちらマイルズ
エリアDのビルでスカーを捕えた
キンブリーに伝えてくれ」
それを聞いたキンブリーは行動に出た
受話器を置いた後
またスカーに向き直るマイルズ
「貴様にどんな事情があるにせよ
見逃すわけには行かない
しかるべき裁きを受けろ」
するとずっと廊下にいた2人が部屋に入ってきた
「待ってくれ!」
「誰だ!?」
顔を出したのは、マルコーとメイ
「メイ!」
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