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リザは右頬に擦り傷をつけて
自分の部屋の玄関の前に立っていた
ガチャ...
部屋の中はもちろん真っ暗
すると暗闇の中から２つの目玉がこちらを向いた
「�堯�！」
嫌な汗が流れたが
その２つの光は、ブラックハヤテ号のだと分かり
張り詰めていた空気が静まる
「はぁー...」
電気をつけると、グッタリと壁にもたれて座り込むリザ
「はぁー...」
手を組んで顔を近づけて眉間に皺が寄り
先ほどあった出来事を頭で整理している
“私はいつでも
貴女の影から見ていますからね”
手首には締め付けられた跡が残っていた
≪ジリリリリン！！！≫
「！！！」
電話の音が部屋に鳴り響いた
リザは目を見開いて電話があるほうを向く
そして、電話の前まで行くと
意を決した表情で受話器を手にした
ガチャ
「...はい」
≪ありがとうございますー！≫
いきなりノー天気な声が受話器から聞こえてきた
≪ごひいきの花屋です！≫
「...！
あ...何の御用です！大佐！」
≪あ、いや...すまん
酔っ払って花を大量に買ってしまってね
少し処分してくれると有り難いのだが≫
リザは緊張の糸が切れたように
どこかでホッとした気分だった
片方の手を額に当てて、大佐の話を聞いていた
「......」
≪...どうした？≫
「...！」
大佐の声で我に返るリザ
≪なにかあったのか？≫
「いえ、何も」
≪......本当か？≫
「えぇ、なんでもありません
花は結構です
うちには花瓶がありませんから
わざわざ声をかけていただき、
ありがとうございます、では」
ガチャン...
リザは話を打ち切って、受話器を置いた
「ふぅ...」
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