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「あぁ...いい音だ
身体の底に響く、実にいい音だ
脊髄が悲しく踊り
鼓膜が歓喜に震える...
それも常に死と隣り合わせのこの地で
感じる事のできる喜び...」
そしてキンブリーは賢者の石を口でくわえる
「なんと充実した事か！！！」
そこで両手を合わせて
スカーの人生を...兄の尊き命を奪ったのだ
キンブリーは悪魔のようにニヤリと笑った
「いい音だ！！
すばらしい！！！
賢者の石！！！！！！」
・ ・ ・ ・ ・
リザがコーヒーを置いた
「殲滅の完了は時間の問題だったわ
そのとき
イシュヴァラ教の大僧正
ローグ・ロウが
同胞のために大総統前に立ったの」
・ ・ ・ ・ ・
「ほーう...
貴様ひとりの命で
残り数万のイシュヴァール人を助けろと？」
「いかにも
私は...「自惚れるな」
大僧正の言葉に割って入る
「貴様ひとりの命と
残り数万の命で同等の価値があると？
大概にせよ人間
一人の命はその後の一人分の価値しかなく
それ以上にもそれ以下にもならん
替えはきかん 殲滅も止めん」
大総統の冷たい言葉
同行していたイシュヴァール人２人も腹を立てる
「この人でなしが！！！」
「神の鉄槌が下るぞ！！」
「神だと？
さて不思議な
この状況でいまだ私に鉄槌は下らぬではないか
あと何人
いや何千人イシュヴァール人を殺せば下るのだ？」
「貴様...っ！！」
「神とは
所詮人間によって作られた
人の手によるものにすぎん
私に鉄槌を下したくば
神の手など借りず
自らの手で行え！人間」
大総統の後ろには
大きな国旗が掲げられていた
「...やがて...戦いは終わり
私たちは故郷に帰れることになったわ」
「結局俺たち兵隊は
ゴミみたいなもんか...」
「あぁ
一人の力など
たかが知れている
ならば私は、自分で守れるだけ...
ほんの僅かでいい
大切なものを守ろう
下の者が更に下の者を守る
小さな人間なりに
それくらいはできるはずだ」
ロイとヒューズは高台にいる大総統を見上げていた
大総統はその目線に着がついたのか
ロイを見下ろしていた
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