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「結局 軍人になったのか...」
目の前には若かりしロイが
青い軍服を着てそこにいた
「やはりまだお前に
焔の錬金術は早いな」
年老いた男がロイの前でベッドに座っている
「まだ...ですか...？
結局今日も、錬金術の基礎しか
教えてくださいませんでした」
「当たり前だ
軍の狗になり下がるような奴には
基礎を教える事ですら
もったいないわ...
ゴホッ ゴホッ...！」
「錬金術は大衆の為...ですか？」
「ん」
「師匠(せんせい)
周辺諸国の脅威に曝されている今
軍の強化こそが急務です
国民を守るために錬金術は...」
「そんな言い訳は聞き飽きた」
「！」
ロイを強い目で見る師匠
「ゴホッ！ゴホッ！ゴホッ！！」
咳き込む師匠を見てロイは側に寄ろうとしたが
師匠は手の平を向けて制す
「私には...耐えがたいのです
先生ほどの方が
こんな極秘に喘いでいるなんて...
国家資格を取って下さい！
そうすれば更なる研究が...」
「研究は
とうの昔に完成しいている」
「...なんですって...？」
「最高最強の錬金術だ
使い方によっては最悪にも成り得る
それを完成させ
そして満足してしまった...」
「...」
「錬金術師は生きている限り
真理を求めずにはいられない生き物だ
考える事をやめたとき
錬金術師は死ぬ...
私は当の昔に死んで...っ！
ゴホッ！！ゴホッ！ゴホッ！！」
「先生！！」
師匠はベッドから倒れた
ロイは慌てて師匠に駆け寄った
「先生！！
ホークアイ師匠！！」
師匠は口から血を吐いていた
「娘を...頼む
私の研究は...全て...娘の......」
そしてロイの師匠は
吐血し涙を流してこの世を去ったのだった...
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