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エドが布で地面に簡単な陣を描いた
「オレが見たクセルクセスの大壁画は
ざっとこんな感じだ
気になるのはこの記号...
神を表すものを上下ひっくり返したもの
そして２頭の竜
これは完全なる存在を示す
つまり 神を地に落とし
自らが完全な存在となるって意味だ」
「大それた事を考えるものだナ」
「考えただけならいい
...問題は...」
エドは１つの壁画の前に立った
「欠けていたこの部分だ」
『太陽を飲み込む獅子の図...
これは賢者の石を示すね
賢者の石の材料は生きた人間
そうだね？エンヴィー』
「あぁ
そうだよ」
「あれほど栄えたクセルクセスが
一夜にしてなぜ滅んだ
国民の行方は？
ここに遺跡の一部があるのは
証拠隠滅のためじゃないのか！？
お前ら...
クセルクセス国民全員
賢者の石にしちまったな！？」
エドの口からとんでもない事実が飛び出した
「『！！』」
「誰がやった！？
自身を練成したのは誰だ！？
国民全員を石にして
その強大な力を手に入れ
神をも超える存在になろうとしたのは誰だ！？
お前の言うお父様か？
そいつはお前らホムンクルスを使って
この国でクセルクセス滅亡の再現をやろうとしてるんじゃないのか！？」
「ここから出られたら教えてやるよ」
エンヴィーはニヤリと笑って
エドを見下げた
「くっ...」
「回りくどい話は止めようよ
鋼の錬金術師
扉を開けるとなれば
必要なのは通行料だろ？」
エンヴィーが大きな口をパクリと開けた
そこには赤く輝く賢者の石が見える
「使えよ」
“殺してー！！”
“助けて！！”
「これ...
みんなクセルクセスの人たちなんだな」
「肉体も精神も
とうの昔に朽ち果てて
エネルギーとして消費されるだけの存在さ
自分がどんな姿だったのかも
覚えちゃいないよ」
エドとAは歯を食いしばって俯いた
「同情か？
くだらん感情だな
魂だけの弟を人間と認めたいから
似たようなこいつらを
人間と思いたいだけだ」
２人は目を見開く
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