紫の段 ページ6
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「……はぁ……」
ある屋敷の片隅にある小さな部屋でひとりの少年が縁側に立っていた。
少年の苗字は“村上”。
_______しかし、少年がその苗字を名乗る事は許されななかった。
少年の母の苗字は“村上”だった。
しかし、少年の父は“村上”を名乗る事を許さなかった。
なぜなら少年の父には正妻がいた。
少年の父は、武士だった。
少年は生まれてすぐに母から引き離され、少年の父の住む屋敷の片隅に閉じ込められた。
少年の父は食事も着るものも与えた。
しかし、少年はひとりだった。
ひとり孤独に、生きていた。
そんな少年に会いにくるひとりの少女がいた。
少女は少年の閉じ込められた屋敷の囲いを乗り越えて、少女に会いにきた。
少女の名前は“あおい”といった。
少女は少年に沢山の事を教えた。
花の名前、木の名前、色、
_______そして月。
少年は月が好きだった。
闇夜に輝くその月が好きだった。
_____少女は毎日少年に会いにきた。
……しかし、ある日を境に少女は少年の前に現れなくなった。
少年はまた、ひとりになった。
ある日の事、少年は屋敷から逃げ出した。
初めて少年はひとりで外に出た。
少年は驚いた。
「人がいっぱい……」
少年は父や屋敷の使用人、そしてあの少女以外の人間を知らなかった。
そんな少年にとって、外の世界はキラキラと輝いていた。
少年は江戸の街を歩いていった。
「……ん……？あれは……？」
少年の目に入ったのは、小さな白い箱を抱えて歩く人や坊主頭の男。
「______可哀想にねぇ……」
行列を眺める人のひとりが言った。
「まだ10歳なのに……」
「あおいちゃんでしょ……？」
「確か“あの”お屋敷の人に……」
少年は目を見開いた。
“あの”お屋敷。
そう言った人の顔は、少年のいる屋敷を見ていた。
_____少女は少年の父に殺されたのだ。
.
______少年は屋敷にいた。
少年の体には幾つもの痣があった。
「なんでこんなに世の中は平等やないん？」
少年は憎んだ。
この世には“自由”に生きれる人がいる一方で、籠の中に閉じ込められた鳥のように生きる人間がいる事を。
自分の利益を求める人のせいで、罪のない人が死んだ事を。
ゆっくりと、夜は明けていった。
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未優(プロフ) - もぇさん» 今のところ次はやす君です！ただまた変わってしまうかもしれませんが……（笑）今のところはやす君です♪ (2013年11月17日 18時) (
レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
もぇ(プロフ) - 次は亮ちゃんですか？？ (2013年11月17日 17時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞英華∞さん» コメントありがとうございます！更新スピードが上がっていませんがよろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - デッドさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが更新していきたいと思います！よろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
∞英華∞(プロフ) - いつも読んでます♪更新がんばってください！ (2013年11月13日 21時) (レス) id: cd2dd81499 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年10月27日 13時
