月の段 ページ4
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_______今宵は満月。
江戸の街でもその美しい月は輝いていた。
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「……キレイやな……」
人々が寝静まった江戸の街。
そんな街のある建物の屋根の上で、少年はそう呟いた。
「……色は匂へど散りぬるを、わが世誰とぞ常ならん……」
少年はゆっくりと、小さな頃に聞いた“いろは歌”を紡いでいった。
「……夢……か」
少年はまた、月が輝く空を見上げた。
_____________________
「今宵は満月か……」
江戸の街にある屋敷の縁側に立ち、一人呟いた少年。
はぁ、と吐いた息は白い煙となって空へ消えていく。
「……この世は不平等やな……」
少年の嘆きもまた、白い煙となって空に消えた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「……寒いな……」
誰も住んでいない小さな小屋で、ある少年は呟いた。
少年は顔を手で覆い、はぁと息を吐く。
「……明日も頑張らな……」
少年は身を丸めて目を閉じた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「今日はこれだけかぁ……」
ある小さな家の中、一人の少年が呟いた。
少年の目の前には、十文銭が3枚。
「もっと……頑張らな」
少年は目の前に置かれた3枚の十文銭を握りしめた。
___________________
「……。」
ある屋敷の一角。
乱れた髪やはだけた着物を直そうとせず、一人の少年はぼんやりと座っていた。
少年の目に光は無く、ただぼんやりと襖の間から見える月を眺めていた。
_______________________
「はぁっ……」
男達の笑う声が響く屋敷の一部屋で、ため息をついた少年。
男達の笑う声は、何かを嘲笑っているような、そんな声だった。
少年は耳を塞ぎ、
「もう、いや……」
……そう呟いた。
____________________
「っ……」
きらびやかな装飾がされた屋敷の一角の部屋の中、ある少年が泣いていた。
少年はひたすら首元の赤黒い、咲く事を望まなかった紅い花をこすり続けていた。
「……もう、いやや……」
少年の涙は誰にも気づかれる事なく、少年の着る着物に染みて消えた。
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未優(プロフ) - もぇさん» 今のところ次はやす君です！ただまた変わってしまうかもしれませんが……（笑）今のところはやす君です♪ (2013年11月17日 18時) (
レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
もぇ(プロフ) - 次は亮ちゃんですか？？ (2013年11月17日 17時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞英華∞さん» コメントありがとうございます！更新スピードが上がっていませんがよろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - デッドさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが更新していきたいと思います！よろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
∞英華∞(プロフ) - いつも読んでます♪更新がんばってください！ (2013年11月13日 21時) (レス) id: cd2dd81499 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年10月27日 13時
