藤の段＊6 ページ17
．
冷たい床を歩いていく2人の少年。
そして少年達はひとつの部屋の前で立ち止まった。
「……きっとこの部屋や」
薄い紫色の着物を着た少年が目の前にある襖を指差した。
中から聞こえてくるのは誰かの寝息。
「……ホンマに、ええんやな？」
「おん、迷いはあらへんよ」
少年達は顔を見合わせてゆっくりと襖を開けた。
中には寝具と1人の男。
男はぐっすりと眠っているようだった。
灰色の着物を着た少年はゆっくりと刀の柄を掴み、鞘からゆっくりと刀を引き抜いた。
部屋に灯された小さな炎の色がぎらりと刀に映る。
「……んっ……」
寝ていた男の目がゆっくりと開いていく。
「なっ……！？」
男は突然現れた2人の少年を見て声を上げ、跳ね起きた。
「信五っ！？貴様何をしている！？」
「あんたを斬りに来た。ただそれだけや」
信五は男_____父の顔を真っ直ぐ見つめながら答えた。
「何を言っているっ……！」
男は声を荒げた。
「……貴様は……」
男は信五の隣にいる少年を見た。
「久しぶりやな……あんたに俺の両親は殺された。やから今日、あんたを殺す」
「！？まっ……待ってくれっ！」
男は裕の振り上げた刀を見て焦り始めた。
「……自分の罪や」
振り上げられた刀は真っ直ぐ男に向かっていく。
_____びちゃっ……
そんな音と共に一瞬で壁が真紅に染まっていく。
「……ありがとな、裕」
「……これはお前のや」
裕は赤に染まった刀を鞘にしまい、信五に差し出した。
「……おん」
信五は裕の差し出した刀を受け取った。
「……これから裕はどうするん？」
信五は裕に聞いた。
「さぁ……」
「……なぁ、一緒に行ってええか？」
「えっ？」
「俺はもう、この屋敷に縛られない。せやから一緒に行ってええか？」
「……おん」
．
満月がかがやく真夜中の事。
ある屋敷で男が罪を背負い、死んだ。
そして藤の花の咲く庭で、
少年2人は“仲間”になった。
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未優(プロフ) - もぇさん» 今のところ次はやす君です！ただまた変わってしまうかもしれませんが……（笑）今のところはやす君です♪ (2013年11月17日 18時) (
レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
もぇ(プロフ) - 次は亮ちゃんですか？？ (2013年11月17日 17時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞英華∞さん» コメントありがとうございます！更新スピードが上がっていませんがよろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - デッドさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが更新していきたいと思います！よろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
∞英華∞(プロフ) - いつも読んでます♪更新がんばってください！ (2013年11月13日 21時) (レス) id: cd2dd81499 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年10月27日 13時
