藤の段＊4 ページ15
．
_____危ない。
そう思った時には既に信五の体は動いていた。
とっさに出た右手には突然殴りかかってきた少年の手。
しかし何故……
そんな事を考えていた時、少年の目が見開いた。
何を見ているん……？
信「_____あっ！」
答えはすぐに分かった。
少年の手を掴んだのは自分の右手。
着物の袖は肘から上を隠していない。
______見られてしまったのだ。
自分の右手首に咲く、忌まわしい桜の花を。
信「……あんたは一体何者や？」
信五は少年に問いかけた。
「……その桜の意味は？」
信五の問いを無視して、少年は信五に問いかけた。
信「……意味……？」
「その桜はお前の意思か？それとも……」
信「……俺を縛る桜や」
信五はそう呟いていた。
初めて会ったはずの人間なのに、信五はあっさりと少年に話していた。
「……信五、って言ったか？……俺はこの屋敷の主を殺す」
信「えっ……」
少年の目は真っ直ぐ信五を捉えたままで動かなかった。
_____少年の言葉に嘘はないのだ、
「……俺の両親を殺したのはこの屋敷の主だ」
信「……あいつは今までに何人の自由を奪ったんだ……？」
信五はそう言った。
沢山の人の自由を奪ったのは自分の父。
ふと少年の服装を見つめる。
信「……刀を持っていないのか？」
裕の腰に刀はない。
ならば短刀なのか……？
「持っていない。この屋敷のモノを使うつもりや」
少年は信五に言った。
信「_____なら……」
信五は自分の部屋に入って行った。
そして、部屋から出てきた信五の手の中には鞘があった。
その鞘の中には刀が入っている。
信「これを使ってくれへんか？」
信五はそう言った。
「これはお前のか？」
そう少年が聞くと信五は首を横に振った。
信「いや、使ったことはないんやけど……俺もいつかはあいつをこの刀で殺そうと思っていたから……」
信五はそう呟いた。
一度も人を斬った事のない刀。
最初に斬るのは自分の父。
そう部屋にあった刀を見つけた時から決めていた。
「……俺も一緒に行く」
信五は少年に言った。
初めて会ったはずなのに、どうしても他人だと思えなかった。
自分と同じように誰かを憎み、今、その恨みを晴らそうとしているのだ______
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未優(プロフ) - もぇさん» 今のところ次はやす君です！ただまた変わってしまうかもしれませんが……（笑）今のところはやす君です♪ (2013年11月17日 18時) (
レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
もぇ(プロフ) - 次は亮ちゃんですか？？ (2013年11月17日 17時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞英華∞さん» コメントありがとうございます！更新スピードが上がっていませんがよろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - デッドさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが更新していきたいと思います！よろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
∞英華∞(プロフ) - いつも読んでます♪更新がんばってください！ (2013年11月13日 21時) (レス) id: cd2dd81499 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年10月27日 13時
