藤の段＊3 ページ14
．
相変わらず暗い空に輝く月明かりの下、
ある屋敷の屋根の上に裕はいた。
「______よしっ……」
裕はふぅ、と息をつくと、ゆっくりと屋根の端まで歩いていった。
下の地面までは約1丈程(約3.0メートル)の高さ。
「行くか……」
裕の目的は、この屋敷にある刀を手に入れること。
_____そしてこの屋敷の主を刀で殺す事。
今宵、両親を殺したあの男の命を両親を殺したように刀を使い、奪うのだ。
真夜中ならば、誰かに気づかれる心配がない。
そう裕は考えた。
「_____よし」
裕は屋根を蹴り、屋根から飛んだ。
_____そして、ぐっと足に力をいれる。
ずん、という衝撃がじわじわと足の裏から伝わってくる。
「いってぇ……」
衝撃は痛みとなってゆっくりと体全体に伝わっていく。
少し動かないでいれば、痛みはゆっくりと収まっていく。
裕の視界の左側には屋敷の縁側の木の板があった。
屋敷に入ろうと、足を一歩踏み出そうとした時だった。
「______藤の花……？」
ふわりと吹いた冷たい風に乗って裕の前までやってきたうすい紫色の花びら。
花びらと共に裕の鼻をかすめた藤の香り。
「______誰……？」
突然裕の耳に入った声。
「っ！？」
声がした縁側を見ると、そこにいたのは自分と同い年くらいのひとりの少年。
______見つかったっ……
そう瞬時に裕は悟った。
「……お前は誰や？」
裕は少年に問いかけた。
「……信五」
少年はそう小さな声で言った。
______たんっ……
「っ……」
裕は縁側の上にいた。
「いきなり……なんなん？」
少年_____信五はそう言った。
信五の右手には裕の拳があった。
「……ただものやないな、あんた」
信五は裕に向かってそう言った。
突然殴りかかった裕の手を信五は見事止めてみせたのだ。
「っ！？」
裕は目を見開いた。
「あっ！」
信五は、ばっと裕の手を離した。
「……お前は何者なん？」
裕の目に映ったのは、信五の右手に咲く桜の花だった。
「っ……」
信五は自身の右手首を握りしめていた。
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未優(プロフ) - もぇさん» 今のところ次はやす君です！ただまた変わってしまうかもしれませんが……（笑）今のところはやす君です♪ (2013年11月17日 18時) (
レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
もぇ(プロフ) - 次は亮ちゃんですか？？ (2013年11月17日 17時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞英華∞さん» コメントありがとうございます！更新スピードが上がっていませんがよろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - デッドさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが更新していきたいと思います！よろしくお願いします♪ (2013年11月14日 20時) (レス) id: 9871693ac0 (このIDを非表示/違反報告)
∞英華∞(プロフ) - いつも読んでます♪更新がんばってください！ (2013年11月13日 21時) (レス) id: cd2dd81499 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年10月27日 13時
