ep.9 ページ10
戸惑っていると、ニュートは誤魔化すかのように再び手を引いて歩き始める。
「ほら、あそこが"オリバンダーの店"だよ」
ニュートが指さした所はさっきミネルバとお別れした場所のすぐ近くだった。お店の前まで連れて来てくれたニュートに深々と頭を下げる
『本当にありがとう、ニュートが居てくれて良かった』
「大したことしてないよ。………じゃあ、僕はもう行くね」
ニュートはそう言い、さっき歩いてきた道を戻り始める。
何だか急に寂しくなって私は思わずニュートの服の袖を引っ張った
びっくりしたニュートは思わず前に倒れそうになる
「っ！？…な、なに？」
『あ…その……また、会えるよね？』
私の問いかけにニュートは驚いたが、自身の袖を掴んでいる手を握り締めた。
「これから同じ学校に通うんだから、いつでも会えるよ」
『！…そうだよね。じゃあ…またね、ニュート』
「………うん、またね。A」
私とニュートはお互い手を離して小さく振り、別れる
私は高鳴る胸を抑えてニュートを見送った。
『お友達だと、思っていいのかな…』
次、会った時に聞こうと決心した。
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ミネルバと入学に必要な物を揃え、アルバスの家へと帰る。
扉を開けるとアルバスがすぐそこに立っていた。
「おかえり、買い物は楽しかったかな？」
『アルバス！ただいま！！』
ようやく会えた人に私は思わず抱き着きに行った
アルバスは優しく私を受け止めてくれた
『アルバス、聞いて！私にお友達が出来たの！』
「それは凄いな。どんな子か聞いてもいいかな？」
『男の子なんだけど、とても優しくて良い子なの。迷子になった私を助けてくれたの！』
「…………迷子になったのか」
アルバスの予感的中。
やはり着いていけば良かった、と後悔したアルバス
重いため息を吐いたアルバスを見て私は首を傾げる
「いや、何でもない。無事で何よりだ」
私の頭を優しく撫でてくれる
アルバスは扉のすぐそこにいるミネルバに目線を移す
「ミネルバも、ご苦労だったな」
「Aが迷子になった事、本当にごめんなさい」
「いや……そうなるだろうと予想はしていた。ミネルバのせいじゃない。次からは気をつける事にしよう」
未だに腰に抱き着いているAを優しく撫で、家の中へと入れる。
「さあ、入学までゆっくり休むとしよう」
いよいよ、新生活だ
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作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
