ep.43 ページ44
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そしてホグワーツの修了式を終え、夏休みに突入。
明日はいよいよ、ニュートの家に遊びに行く日。
私はいつも以上に上機嫌でアバーフォースのお店を手伝っていた。その様子をアバーフォースとアルバスが困ったように見つめていた。
「Aちゃん、今日は随分とご機嫌だね」
『あ、分かりますか？実は…明日初めてお友達の家に遊びに行くんです！』
「おお、それは良い事だ。楽しんでおいで」
『ありがとう！ジェロイドおじさん！』
「おーい、Aちゃん！注文いいかい？」
『はーい！今行きます！』
アバーフォースは思わずアルバスに小さく囁く。
「よく許可を出したな。兄貴なら止めると思っていたが…」
「あんなに楽しそうにされたら止められないよ。それに私は彼を信頼しているんだ」
「……大事な娘が知らない奴に取って食われても知らんからな」
「不安を煽るようなことを言わないでくれ」
上機嫌のままお店が終わり、閉店作業をしていると、アバーフォースが私に近寄ってきた。
「後は俺がやる。お前はもう寝ろ」
『え？いいよ、最後までやるのに…』
「上機嫌で鼻歌歌いながら作業されちゃあ、目障りだ。明日は出かけるんだろ？いいから早く寝ろ」
『ありがとう、アバーフォース』
素直じゃないけど、気を遣ってくれるアバーフォース。
その言葉に素直に甘えることにした。
自分の部屋に戻りベッドに入ると、今度はアルバスが入ってきた。
「もう寝るところだったかな？」
『そうだけど、まだ大丈夫よ。どうしたの？』
「いや……君の顔を見に来ただけだよ」
『ふーん、変なアルバス』
私は再びベッドに潜り込むと、アルバスは傍にあった椅子に腰かける。小さな子供をあやす様に私の頭を優しく撫でる。
「明日が楽しみかい？」
『うん、とっても。初めてお友達の家に遊びに行くんだもの』
「そうか……。正直、君を行かせるのは不安だったんだ。でも殻の中に閉じ込めておくのも違うと思った。若いうちに外に出て新しい事を吸収して、立派に成長して欲しいんだ」
『アルバス……もしかして、寂しいの？』
私がそう言うと、撫でる手を止めて目を丸くした。
「そうかもしれないな…」
『大丈夫よ、すぐに帰ってくるわ。私の家はここなんだから』
私がそう言うとアルバスは小さく微笑んで私をぎゅっと抱き締めてくれた。
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作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
