ep.41 ページ42
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無事に学年末試験が終わり、もうすぐ夏の長期休暇が始まる。
今年の夏もアバーフォースのお店を手伝って終わるんだろうな。
と呑気に考えていた。
隣で夜ご飯を食べるリオンを見つめた。
『ねえ、リオン。今年の夏休みはどこか行くの？』
「ママ達とフランスに旅行に行くの」
『ふーん、そうなんだ…』
急に質問しといて曖昧な返事を返す私を不思議に思ったリオンはフォークを置いてこちらを見つめる。
「何？また寂しくなってきたの？」
『……』
「そんなに寂しいなら一緒に着いてくる？」
『それは遠慮しとく』
「遠慮しなくていいのに……」
そう呟いてリオンは再び夜ご飯を食べる。
私は再び、夜ご飯に手をつける。
「A、ちょっと、いいかな…」
『ん？』
振り向くと、後ろにニュートが立っていた。
『ニュート、どうしたの？』
「えっと……ここじゃ、言えない話なんだ」
ニュートは周りを見渡してこっそりと話した。
私は思わずチラッとリオンを見る。リオンは察してくれたのか黙ってヒラヒラと手を振っていた。
『じゃあ、入り口のところで話そっか』
「……ありがとう」
大広間の入り口の扉付近に二人で向かい、私はニュートに向き直る。
『話ってなぁに？』
「えっと……もうすぐ夏休みでしょ。Aは何か予定があるのかなって……」
『ううん、親戚のお店を手伝うくらいで特に何もないよ』
「そ、そうなんだ……えっと……その……」
何やらモジモジしていて中々話さないニュート。
私はニュートがちゃんと話し出すまで黙って待っていると意を決したのか私を真っ直ぐ見つめた。
「な、夏休み中に…僕の家に、遊びに来ない？」
『ニュートのお家に？…でも、お邪魔じゃないかな』
「全然邪魔じゃないよ！それに、Aに会わせたい動物がいるんだ。僕の家、母さんがヒッポグリフのブリーダーをやってて、君にも見せてあげたいなって……思って…」
徐々に声が小さくなるニュート。
その気持ちがとても嬉しくて私はニュートの両手を握りしめた。
『とっても嬉しい！行きたいけど、私の親戚の人に許可を取らないと…』
「あ、急がなくていいよ。返事ならいつでも……」
『今すぐ聞きに行こう！来て、ニュート！』
「え！？今すぐってどういう…！？」
私はニュートの手を引いて急いで彼の部屋へと走った。
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作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
