ep.4 ページ5
未だにダンブルドアの背中に隠れているAを見てダンブルドアは困ったように眉を下げた。
「このままだと歩けないぞ、A」
そう言われ私は急いでダンブルドアから離れる。
申し訳無さそうに俯いていると私に目線を合わせるようにしゃがみ込み私の両手を優しく包み込んだ。
「人が、怖いかい？」
『……』
「焦る必要はない。ゆっくり。君のペースでホグワーツや魔法に慣れていくといい」
まるで、お父様みたい。
優しくて常に味方でいてくれたお父様。
じんわりと暖かくなる心に私は思わず涙が零れる
涙を拭いて私は力強くダンブルドアを見つめた
『私も、アルバスって呼んでも、いい？』
少しずつ自分に心を許してくれたAを見て、驚いた様子で目を見開くが、すぐに笑顔を浮かべて小さく頷いた。
「とても光栄だ。だが、学校では他の生徒も見ているからちゃんと”先生”と呼ぶこと。良いかい？」
『！…分かったわ！ありがとう、アルバス！』
嬉しそうに笑い、ダンブルドアの手を引いて歩き始める。
本当に娘が出来たみたいな気分になった。
”アルバス、俺達に何かあったら…娘を頼む”
とある友人がまだ小さな赤ん坊を抱いていた頃に言われた言葉だ。友人はこうなる事を予想していたのかもしれない。
ダンブルドアは繋がれた手を力強く握り締めた。
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アルバスと一緒にやってきたのはとあるお店。
辺りが薄暗くなってきているのに店には誰もいない
中へ入ると、一人の男性がこちらへ歩いてきた
じろり、と睨まれて私はサッとアルバスの後ろへ隠れる
「……結婚もしてないのに、もう子連れか？」
「そんなんじゃないよ。それに彼女は私の友人の子供だ。君もよく知ってる友人だ。A、彼は私の弟のアバーフォースだ。見た目は怖いが、とても良い奴だ」
未だに睨んでくる男性がアルバスの弟さんだと知り、恐る恐るアルバスの背中から顔を出して声を小さく発する
『A・ロイス……です』
「ロイス？……そうか、お前があいつの……」
私の名前を聞いた瞬間、納得したようにアルバスの顔を見つめ、私の前にしゃがみこむ。怖くなり顔をアルバスの背中に隠すと私の肩に手を置かれた。
「………飯、食うか？」
『えっ……た、食べます…』
「ちょっと待ってろ」
ぶっきらぼうにそう言うとアバーフォースは中へと入っていく
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作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
