ep.38 ページ39
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もうすぐ学年末試験。
私はリオンと一緒に勉強するために図書室へと向かっていた。
成績は……まぁ、割といい方だとおもう。
実技が出来ないのならせめて筆記で補おうとした頑張った結果、クラスでは上の方の順位がついた。
反対にリオンは実技は得意だが、筆記はあまり得意ではないらしく、お互いに教え合っている。
今日はリオンに筆記を教える日だ。
和気あいあいとホグワーツの廊下を歩いていると、目の前からニュートと知らない女の子が歩いていた。
先にニュートがこちらに気付いて私達に手を振った。
「A、リオン、今から勉強？」
『そう、もうすぐ学年末試験でしょ？今日は図書室で勉強しようってなったの』
「そっか。僕も勉強しないとね……」
苦手そうに笑うニュート。隣の女の子がじっと私を見つめていた。………いや、見つめているというより、睨まれてる？
『………えっと、ニュート。この子は？』
「ああ、彼女はリタ・レストレンジ。スリザリン生で魔法動物に興味があるみたいで仲良くなったんだ」
『そうなんだ。私、A・ロイス。よろしくね！』
純粋に仲良くなりたいと思って自己紹介をした。
━━━━パンッ！
『……え』
「私、貴方みたいなお気楽で何も苦労を知らない人、嫌い」
握手を求めて差し出した手を弾かれてしまう。
叩かれた手を握り締めると、リタは苦痛の顔を浮かべて走り去って行く。
「リタっ……ごめん、A……」
ニュートが私に謝り、リタの後を追って去ってしまった。
何故だか、分からないけど…少し、胸が痛んだ。
「A、大丈夫！？手、赤くなってるよ」
『あ、大丈夫。ちょっとびっくりしただけ…』
「はぁ〜…私、あの子知ってるわ。リタ・レストレンジ。魔法界でも有名な純血の一族、レストレンジ家のひとり娘。何でも望まれない子どもだったらしく、ホグワーツでは酷い噂が絶えないの」
『……私、図々しい事したかな』
「そうね…少し、考えが甘かったかもしれない。でも、誰にでも優しくて仲良くなろうとする所、私は嫌いじゃないよ」
リオンが赤くなった私の手を優しく撫でてくれた。
その優しさが心に染みてとても暖かくなった。
『ありがとう、私もリオン大好き！』
「さあ、図書室に行って勉強、頑張りましょう！」
私達は手を繋いで図書室へと向かった。
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作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
