ep.37 ページ38
『あ、そうだ、これ返さなきゃ』
自身の首に下げていたネックレスをニュートに渡す。
『これのお陰で寂しくなかったよ』
「お役に立てたのなら良かった」
ニュートは私の手からネックレスを受け取り首に下げる。
私も、無くさないように首に付けようとするが、中々金具が引っ掛からない。
モタモタしているとニュートが私の後ろに回り、金具を付けてくれていた。邪魔にならないように長い髪を前に持っていくと、首筋にくすぐったい感触が走った。
『ひゃっ！な、なに…？』
「ごめん、後ろにゴミが付いていたから取ったんだ」
『そ、そうだったんだ。ありがとう』
変な声が出て恥ずかしさで顔が赤くなる。
無事に"二フラー捕獲大作戦"は大成功で幕を閉じた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
無事に"二フラー捕獲大作戦"を終えた僕は寮の部屋へと戻る。
勢いよくベッドにダイブして先程自分がやらかした事を反省していた。
「……あれは、ダメだよ……」
不可抗力、と言い訳したい。
最初は本当に親切心からやった事だった。
Aが頑張ってネックレスを付けようとしている姿がとても可愛らしくて、手伝ってあげようとしたんだ。
そしたら不意にAが髪の毛を前に持っていき、綺麗な白い肌が見えてしまった。
そこから、思考が停止して思わず"キス"してしまった。
「待つって言ったの、僕じゃん…」
これは、Aが気付くまでに待てるのか。
自信が無くなってきた。
重い、深いため息を吐いてネックレスを取り出す。
そのネックレスからはほのかにAの匂いがした。
あ〜……ダメだ。理性が飛んでしまいそうだ。
僕は理性を保つ為に魔法動物の本を取り出し読む。
しかし、全く内容が入ってこない。
「おーい、ニュート。今日Aが物凄い形相でお前の事探してたけど、何かあったのか？」
「…………アレン、僕のこと一発殴ってくれない？」
「はあ！？！？なんで！？……お前、まさか…Aに手出したのか！？」
「い、いや、あれは不可抗力でっ…」
「出したのかお前！！！俺達のお姫様に手を出したのか！！」
「出してないよ！…多分、出してない…」
「ぎゃーーー！！！俺のAがニュートに穢された！！」
「アレンのじゃないだろ！！」
ギャーギャーと騒ぐ僕達にルームメイトから怒りの言葉が飛んできた。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
